「生命の循環」をテーマに紡ぐアーティスト 小林万里子が、「KOTARO NUKAGA」で初個展を開催!

小林万里子 《はるばるの隙間から》 2021

気鋭のアーティスト 松山智一を始めとする国内外の先鋭的アーティストの作品を発信するギャラリー「KOTARO NUKAGA」にて、小林万里子の個展「オーバーストーリー」が、2021年4月17日(土)から5月22日(土)まで開催されます。

小林は、1987年大阪府生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻、2012年同大学院修了。織る、染める、編む、刺す、といったテキスタイル技法を用い多様な素材を組み合わせていく方法で、「生命の循環」を表現し続けています。幾重にも織りなされる色や形によって現れる混沌のイメージの中から、生命の本質的な姿を描き出すことを試みており、その確かな手仕事と揺るぎない世界観から、今最も注目を集めているアーティストのひとりです。

小林は、小さな疑問をきっかけに、自らを取り巻く世界そのものの成り立ちを紐解こうとするように作品を制作。例えば、身近な人や生物の生命の終わりに着目し、命の終わりを終焉ととらえず、新たな命の物語の始まりとして位置付けています。そこには、壮大な生命の営みへの畏敬の念や祈りにも似た小林の姿勢が垣間見えます。

今回の展覧会タイトル「オーバーストーリー」には、私たちの祖先たちが生きてきたおびただしい数の命の積層の上に成り立っている私たちの今を描く物語、そして私たちが役目を終えて土に還ったその後の命が織りなす世界の物語、というふたつの意味が込められているといいます。

今を超えたのちに始まる別の時間、物語を想像すると、その世界は既に足元に大きく広がっていることに気づく。私たちは誕生から寿命までの時間を、一本の直線のように感じて生きている。直線の時間の終わりには、すべてのものは土へと還る。土壌は既に死んだものたちから成る温かい場所である。毎年積み重なる草の遺骸で腐葉土ができ、草の根でゆっくりと土が耕され、鳥が糞と共に撒き散らした種から新しい芽がでる。そこから始まる世界では、緩やかに混ざり合い、繰り返され、終わりある直線ではなく、樹木の年輪のように円を描きながら深く豊かに広がってゆく。果てしない時間をかけて形成された「命の円」の薄皮を削りながら、私たちはこの世界に何を作りだそう。
小林万里子

ぜひ会場に足を運んで、小林の世界観を体感してみてください。

小林万里子 《熱と水》 2018, CADAN 有楽町展示風景 撮影:坂本理小林万里子 《はるばるの隙間から》 2021 (部分)小林万里子《いにしえ山》 2012小林万里子《まどろみ》 2021小林万里子 《縁》 2017 パークホテル東京 31F展示風景 撮影:富野博則

 

開催概要
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■小林万里子「オーバーストーリー」
会 期:2021年4月17日(土)~5月22日(土) 
会 場:KOTARO NUKAGA
時 間:11:00~18:00
休 廊:日・月・祝
東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
※国や自治体の要請等により、日程や内容が変更になる可能性があります。

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