少子高齢化と拝観料…そして美術館:アートをおしきせ 20180510

ARTLOGUE 編集部

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さすが「いらすとや」さん。少子高齢化でもイラストが…ある!

 

5月8日の毎日新聞の記事で神社仏閣の拝観料の値上げが続いていることが取り上げられていました。

大幅な値上げとはいえないものの、京都や奈良といった神社仏閣が多く集まっている都市では、1度に複数の場所を巡る人も多く、拝観料だけでばかになりません。

値上げの理由としては整備、修理だけでなく、防犯対策も含めての費用負担が述べられていましたが、それとともに挙げられていた「少子化」というキーワードがひっかかりました。修学旅行生の人数が減り、収入が減ってきているとのこと。

日本がこれから少子高齢化社会となることは、既に避けられないこととして明言されています。今年の3月30日に「国立社会保障・人口問題研究所」が発表したデータによると2030年には日本全国で人口減少、なんと2045年には日本の総人口が約1億0642万人になるそう。今から約30年で2000万人以上が減少してしまう…。

やばい。

今の減り具合で拝観料上げないと収支のバランスがあわないのだとすると、2045年にはどうなっているの?テクノロジーの進化がうまい具合に問題を解決してくれることを期待しつつも、従来の文化財は保護するものというスタンスに利活用という視点をプラスして、神社仏閣、史跡等文化財の存続、継承を積極的に進めていかねば。

ところで、この拝観料値上げ問題で、思わず頭に浮かんだのが美術館。神社仏閣同様、少しずつ入館料の上がっている美術館や博物館、少子高齢化の余波と無縁にいられるとは思えません。

海外を中心に、コレクションをデジタル化してオンラインで公開するオープンアクセスへの取り組みが注目され、自宅でVRでの多様な美術鑑賞が夢物語でなくなってきた昨今。アートへのアクセシビリティは高まりますが、人口減少以外にも入館者数を左右しそうなサービスが今後増々、美術館の周辺に登場してきそうです。

個人的には実物の作品と対峙するのと、オンラインで作品をみるのとでは鑑賞体験として全く異なると思いますが(VRに関しては今後精度が上がるとわかりません)、「アートが大切なのはわかる」と言いつつなかなか美術館に足を運ぼうとしない友人の足を美術館の前で立ち止まらせてしまいそうです。

人口問題への対処とともに、今後の美術館の役割を見直す転換期、あるいは進化の時がきたのかもしれません。