「龍野アートプロジェクト2014 日波現代芸術祭「流れ Flow」」 CURATORS TV
「龍野アートプロジェクト2014 日波現代芸術祭「流れ Flow」」のギャラリートーク
スピーカー
加須屋明子
会場
会期
2014年11月2日~11月16日
展示について
城下町龍野には、江戸時代からの地場産業の拠点である醤油蔵など多くの文化財があります。これらを保存するだけではなく、その魅力を活用、発信することによって地域の活性化を図り、すぐれた芸術を国内外に発信すると共に、多くの人々の集まる場を創設していくことを目的として、2011年から活動を開始しました。2013年には「城下町美術館」を展開し、また、芸術ジャンルを横断した「現代音楽と現代美術の響演」を行いました。2014年には「流れ Flow」をテーマに実演芸術に注目し、音楽と映像,インスタレーション,ダンスパフォーマンスなどが融合した現代芸術祭を、地域の文化遺産である醤油蔵(国登録有形文化財)にて開催します。また昨年に続いてポーランドからも作家を招き、日波の相互理解と国際交流、国際発信も目指します。かつて使い込まれた空間としての醤油蔵の特質を生かし、コンサートホールでは得られない音の響きを存分に引き出すとともに、演奏家の息づかいの感じられる客席の配置や映像,絵画,切り紙等に包まれ、全身で味わえるような空間によって、様々なジャンルの芸術が「流れ」となって醤油蔵で合流し、新たな魅力があふれ出る姿をどうぞお楽しみください。Tatsuno, an old castle town, is home to many cultural properties, including soy-sauce warehouses dating back to the Edo Period (1603-1868) when the soy sauce industry flourished in the region. Launched in 2011, the Tatsuno Art Project aims to help preserve these traditional buildings, use them for innovative purposes, and make more people aware of their charm, so as to revitalize the region and attract more visitors. In 2013, the event was envisioned as “a historic castle town as a museum,” and diverse genres of art were brought together in the special event Contemporary Music and Art in Harmony.For 2014 the theme is “Flow,” and the focus is on the performing arts. A contemporary arts festival incorporating music, video, installation, dance and other media will be held in a historic soy sauce warehouse (registered as a Tangible Cultural Property of Japan). Like last year, artists will be invited from Poland and the event will promote mutual understanding, international exchange, and international communication between the two countries. In the unique atmosphere of the soy sauce warehouse, which shows intriguing traces of its many years of use, music will take on a resonance that could not be achieved in a concert hall, and the audience will be seated close so as to connect with the performers, with videos, paintings, cut paper works and other visual art that surround the viewers for stunning overall effect. A wide range of genres will “flow” together in the distinctive space of the soy sauce warehouse interior, generating an innovative and unforgettable multi-sensory art experience.
アーティストについて
02;17宮永匡和1970年大分生まれ、1993年福岡教育大学美術課程卒業、1995年筑波大学大学院修士課程美術専攻修了後、青年海外協力隊員としてポーランドに勤務、1999年から2003年までクラクフ美術アカデミー修復課程研究生。クラクフを拠点に絵画制作を続けている。古典技法を用いた静謐な作風は日波の感性を融合する。ポーランド、クラクフ在住。04;32岩田美保1962年愛知県生まれ、1985年京都府立大学卒業、1986ー92年ヤギェウォ大学(クラクフ)留学。1990年代より舞台作品を手掛け、クラクフを拠点に多数公演を続ける。2002年よりその場の状況や空間を生かした即興性の高いパフォーマンスへ移行。2012年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加。クラフク(ポーランド)在住。06;12谷澤紗和子大阪生まれ、2005年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート交換留学、2007年に京都市立芸術大学大学院修士課程修了し、京都を拠点に活動を続ける。特に近年は、切り紙を用いたインスタレーション形式の発表が続き、中之島図書館や飛鳥Art Villageなど、特徴ある空間を生かし、現地の物語に取材する制作が高く評価されている。08;02ミロスワフ・バウカ1958年ワルシャワ(ポーランド)生まれ。1985年ワルシャワ美術アカデミー彫刻専攻卒業。歴史や記憶、身体の痕跡と深く結びついた立体作品や映像作品を手掛け、高く評価される。カッセルのドクメンタやヴェネチア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレなど数多くの国際展にも参加。2011年よりワルシャワ美術アカデミー教授。ワルシャワ(ポーランド)在住。09;04薮田翔一1983年兵庫県たつの市出身。2011年東京音楽大学大学院作曲科修了。飯塚邦彦、有馬礼子、藤原豊、糀場富美子、西村朗の各氏に師事。第78−81回日本音楽コンクール2位入賞。トロンボーンピース・オブ・ザイヤー2011作曲賞。京都フランスアカデミーメシアン賞。2013年、ウィーンコンチェルトハウス100周年作曲賞最優秀作品賞(オーケストラ部門)、SORODHA国際作曲コンクール1位入賞、カジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクール3位入賞。2014年、第3回クロアチア国際作曲賞NEW NOTE 2位入賞、第3回高松国際ピアノコンクール課題曲委嘱作曲家。たつの市民奨励賞(文化賞)。21世紀音楽の会会員。たつの市音楽協会会員。10;54アレクサンデル・ヤニツキ1990年美術アカデミー卒業。クラクフを拠点として活動を続け、音や映像を取り入れたインタラクティヴなインスタレーション作品を多く手がける。公共空間への設置も多く、また国内外にて実験的演劇行為も実施。2005年の愛知万博ポーランド館ではマルチメディアインスタレーション《エコー》を展示し、ポーランド建築家協会年間最優秀賞受賞など受賞多数。17;41大舩真言1977年大阪生まれ、2000年京都教育大学特修美術科日本画専攻卒業、2001年同大学研究科修了。滋賀県を拠点として、国内外で活動を続ける。日本画の技法を駆使しつつ、物の存在へと迫る平面と立体の表現は、展示空間を一種の舞台に見立てながら「見るもの」と作品との関係に注目し、流れ行く記憶や時間の流れを巧みに表現している
スピーカーについて
加須屋 明子/KASUYA Akiko1963年兵庫県たつの市生まれ、兵庫県立龍野高等学校卒業。京都大学大学院哲学研究科博士後期課程美学美術史学専攻修了。ヤギェウォ大学哲学研究所美学研究室留学(クラクフ、ポーランド)。1991年から2008年まで国立国際美術館学芸課勤務。専門は、近・現代美術,美学。現在、京都市立芸術大学美術学部准教授。主な展覧会企画は、「芸術と環境」1998年,「転換期の作法」2005年など。主な著書は、『アヴァンギャルド宣言 中東欧のモダニズム』(三元社,2005年,共訳),『ポーランド学を学ぶ人のために』(世界思想社,2007年,共著),『中欧のモダン・アート』(彩流社,2013年,共著),『ポーランドの前衛美術』(創元社,2014年)など。
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