芸術の都フランス・パリが日本一色に染まる! 大規模な日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」がまもなく開催。

黒木杏紀

黒木杏紀

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ジャポニスム2018 のシンボルマーク

「ジャポニスム 2018」のシンボルマークは、日本の文化が堂々と海を渡って外へ出ていく、その旗印となるようにデザインされています。富士山、太陽、波は、古くから日本の文様などによく描かれるモチーフです。これらの要素を、シャープで現代的な造形と、海の深い青・太陽の赤・波の白の鮮やかなコントラストの色彩で表現してみました。いかがでしょうか?

 

ジャポニズム、 ジャポニスム? どっちなの?!

「ジャポニスム」とは、19世紀中ごろからヨーロッパで始まった日本趣味・日本文化の流行を指す言葉。ちなみに英語ではジャポニ「ズ」ム、フランス語ではジャポニ「ス」ムだそう。今回の日本文化を世界へ発信する取り組み「ジャポニスム2018:響きあう魂」のタイトルは「ス」の方ですね。

どうぞお間違いなく!

 

パリに行ったのはどんな人たち?!

約150年前の パリ万国博覧会の日本人の様子

日本の開国が1854年、そして1867年開催のパリ万国博覧会に日本は初めて参加しました。そこで大きな衝撃とともにジャポニスムの大旋風を巻き起こしたのです。

少し想像してみてください。

当時の日本はまだ幕末、西洋スタイルは移入されておらず、日本からの参加者は皆ちょんまげや羽織や袴、身に着けていたのは凝ったデザインの刀や印籠。小さな体にピンと伸びた背筋で颯爽と歩く姿はさぞかし目を引いたことでしょう。また、万国博覧会の日本のパビリオンでは茶屋も開かれ、芸者衆が西洋人のお客様たちのお接待をしたそうです。その美しい着物や帯や髪型、粋なデザイン、身のこなし、日本の様式美は、出展された美術品や工芸品に決して見劣りしなかったはずです。

特に大江戸は1800年頃には120万人の人口を擁する世界の大都市の一つであり、成熟した文化を持っていました。鎖国の時代を通じて約400年間、独自性を育んできた日本の文化は、西洋人にとって今まで見たことのない大きな興奮を呼び起こすものだったに違いありません。いつの時代にも真にオリジナルのものは人の心を大きくゆり動かすものなのです。

 

なんと世界中の憧れの的 花の都パリが、

日本文化の博覧会場になる?!

 おりしも日仏友好160周年にあたる2018年、時を越えて、現代日本がフランスで新しいジャポニスムを創造します。「ジャポニスム2018:響きあう魂」では、パリ内外の100近くの会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介していきます。

古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまで、さらには 歌舞伎から現代演劇や初音ミクまで、日本文化の多様性に富んだ魅力の「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化他」の4つのカテゴリーで日本各地の魅力をパリに向け、また世界に向けて発信します。

他にも国宝や重要文化財を含め、これだけの数の作品が一堂に展示され、まとまって経験できる機会は今世紀再びあるかどうかわかりません。例えていうなら、パリという街が日本文化の博覧会場のようになるのです。

 

今すぐ見るならどこ? 見どころラインナップ。  

パリ市内を中心に20を越える会場で繰り広げられるすべての事業をここで紹介することはできませんが、いくつか代表的な企画について掲載しておきます。

 

「teamLab: Au delà des limites(境界のない世界)」展 

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開幕に先立ち、すでに5月に開催しているチームラボの《teamLab : Au-delà des limites(境界のない世界)》展(会場:ラ・ヴィレット)では、開幕から6月10日までの約4週間で、46,000人を超える入場者数を記録しています。

 

「井上有一 1916-1985 -書の開放-」展

井上有一≪愛≫1972 年 個人蔵 撮影:伊藤時男 ©UNAC TOKYO
井上有一≪愛≫1972 年 個人蔵 撮影:伊藤時男 ©UNAC TOKYO

 

「深みへー日本の美意識を求めてー」展

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㊧国宝 <火焔型土器> 十日町市博物館所蔵 前 3,500~2,500 年、㊨ANREALAGE, collaboration with NAWA Kohei | SANDWICH, ANREALAGE 2017-2018 autumn & winter collection “ROLL”

 

パリ日本文化会館ではジャポニスム2018のオープニングとして、1950〜60年代にフランスの芸術家にインスピレーションを与えた書家の《井上有一 1916-1985 -書の開放-》展が7月開催、同時期に、世界に発信すべき日本の美意識を紹介する《深みへー日本の美意識を求めてー》展(サロモン・ロスチャイルド家の館)も始まります。

この上記2つの展覧会がジャポニスム2018の導入としての見所となります。

 

「池田亮司|continuum」展

©Ryoji Ikeda Studio
©Ryoji Ikeda Studio

 

本展覧会では、ポンピドゥ・センターのために新作のインスタレーション2点が展示されます。一つの作品は真っ暗な空間、もう一つの作品は明るい展示空間で、2つは対照的で、補完しあうようなインスタレーションとなります。

 

「Enfance/こども時代」展

横山裕一「ドレスアップ」より(「ニュー土木」収録、©イースト・プレス、2003)
横山裕一「ドレスアップ」より(「ニュー土木」収録、©イースト・プレス、2003)

 

最先端の現代アートを常に発信しているパレ・ド・トーキョーにおいて開催 する、日本とフランス、ならびにさまざまな国のアーティストによる、「こども時代」をテーマにした日仏共同企画の現代アート展です。

 

ルーブル美術館 ピラミッド内 特別展示 名和晃平作品 "Throne" | ARTLOGUE

Throne © Kohei NAWA | SANDWICH Inc.
Throne © Kohei NAWA | SANDWICH Inc.

 

 

そして何よりも圧巻は、「ジャポニスム2018:響きあう魂」の期間中、ルーヴル美術館ピラミッドの内部、外から見える場所に、名和晃平氏による高さ11メートルの巨大な金の玉座のインスタレーションが展示されることでしょう。

  

「ジャポニスム2018:響きあう魂」コンセプト

タイトルである「ジャポニスム 2018:響きあう魂」には、二つの意味が込められています。

一つは、過去から現代までさまざまな日本文化の根底に存在する、自然を敬い、異なる価値観の調和を尊ぶ「美意識」です。日本人は、常に外部から異文化を取り入れ、自らの文化と響きあわせ融合させることで、新しい文化を創造してきました。多様な価値が調和し、共存するところにこそ、善悪を超えた「美」があるとする日本文化ならではの「美意識」を世界に紹介します。

 

「ジャポニスム2018:響きあう魂」開催概要

 会 期:2018年7月~2018年2月
事務局:独立行政法人国際交流基金
ジャポニスム2018公式サイト:https://japonismes.org/

 

黒木杏紀

兵庫県出身。広告代理店にてアカウントエグゼクティブとして新聞・ラジオ・テレビ・雑誌などのメディアプロモーション・イベント・印刷物などを手掛ける。その後、10年間心理カウンセラーのかたわら、ロジャーズカウンセリング・アドラー心理学・交流分析のトレーナーを担当。神戸市の発達障害者支援センターにて3年間カウンセラーとして従事。 2010年よりフリーランスライターとなり、現在は美術ライターとして活動。