[チケットプレゼントあり!]
「ファッション界で最も聡明な女性」(ワシントンポスト紙)と評されるNYの名キュレーターによる特別展「Treasures of Fashion ヴァレリー・スティールの審美眼」が、神戸ファッション美術館にて開催中!

第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」の展示風景
※記事最後に特別展「Treasures of Fashion ヴァレリー・スティールの審美眼」チケットプレゼントのお知らせがあります。


1997年、ファッションを専門とする日本で初めての公立美術館として開館した「神戸ファッション美術館」。2018年には、デザイナーで画家としても活躍するコシノヒロコ氏が名誉館長に就任するなど、ファッション関係者からも支持を受けている美術館です。同館3Fにはライブラリーもあり、国内外のファッション関連の蔵書約40,000冊のほか、20世紀初頭からのファッション雑誌のバックナンバーを閲覧できます。仏・米・伊の「VOGUE(ヴォーグ)」や「ELLE(エル)」のほか、最新ファッションがわかるスタイル・マガジン、インテリア雑誌なども充実しており、思わず夢中になって、時間の経過を忘れてしまうほど。

「神戸ファッション美術館」のライブラリーには、洋書を中心とした約40,000冊の蔵書が。ファッションはもちろん、デザイン、建築、映画、アートなどの書物も豊富


そんな神戸ファッション美術館で、8月30日(日)まで特別展「Treasures of Fashion ヴァレリー・スティールの審美眼」が開催中です。ファッションを扱う教育機関として世界的に有名なニューヨーク州立ファッション工科大学併設のミュージアム、MFITのディレクター兼チーフキュレーターとして活躍するヴァレリー・スティール氏をゲストキュレーターに迎え、本展では神戸ファッション美術館の所蔵作品の中から、スティール氏独自の視点で約150点をセレクト。スティール氏は、ワシントンポスト紙において「ファッション界で最も聡明な女性」と称され、ファッションの背景にある文化や社会性を読み解くなど、ファッションに関して造詣が深い人物。審美眼にも優れたスティール氏による本展では、18世紀のロココから現代までの西洋のドレス、ファッション写真など、同館コレクションの新たな魅力を紹介します。

ヴァレリー・スティール氏(ニューヨーク州立ファッション工科大学ミュージアム ディレクター、チーフキュレーター)


本展は、全4章からなり、それぞれで完結する構成です。4つの小さな展覧会といえば、わかりやすいでしょうか? 第1章では「ロココ」にフォーカス。ロココとは18世紀に生まれた装飾様式の名称で、宮廷文化を背景として花開いた華麗な文化のこと。展覧会ではヴェルサイユ宮殿の庭園にある離宮の一つ「プチ・トリアノン」の画像を背景に映写しながら、ロココ時代のドレスを展示しており、マリー・アントワネットの時代の雰囲気を味わえます。

第1章「ロココ」の展示室風景 


宮廷時代の正装である花綱模様のローブ・ア・ラ・フランセーズや、18世紀後半に出現した、身体の自由を求めたシュミーズドレスなど、当時のファッション史をたどることができるでしょう。

第1章「ロココ」より (右)ローブ・ア・ラ・フランセーズ(1760年頃 フランス)(左)アビ・ア・ラ・フランセーズ(1760-70年頃 フランス)第1章「ロココ」より(左)ジレ(1770-80年頃 フランス)(右)コルセット(1950年頃 フランス)第1章「ロココ」に展示されている扇。当時は扇ぐためというよりは、「扇言葉」という感情表現を伝えるための道具だった
第1章「ロココ」フォトギャラリー


特に日本においては、ロココ・ファッションのスイートでフェミニンなイメージが、ロリータファッションといったサブカルチャーにも影響を与えているのが興味深い点です。

第1章「ロココ」に展示されたロリータファッションの参考衣装


特筆すべきは、第2章の「シャネルと彼女のライバルたち Part1」。20世紀、最も有名で影響力のあるファッションデザイナーといえば、ガブリエル・シャネルの名前が真っ先に挙がることでしょう。シャネルに関する書籍や展覧会の多くは、彼女を独自のスタイルを創造した比類なき孤高の天才として扱いますが、スティール氏はシャネルを同時代の卓越したライバルたちと関連付けており、彼女ならではの切り口は「さすが!」としか言いようがありません。なんでも、スティール氏が、著書『Women of Fashion : Twentieth-century Designers』を執筆されているときに思いついたアイデアだそう。

第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」の展示風景

 

第2章の「シャネルと彼女のライバルたち Part2」の展示風景


第一次世界大戦時の女性服の新しい需要を的確にとらえ、ビジネスに結びつけたシャネル。シャネルのキャリアは1910年に開いた帽子店が原点です。1919年には、本格的のオートクチュールを開始。ここから装飾や色彩を取り去った、シンプルで直線的なファッションを世に打ち出していきます。1926年に、シャネルの代名詞的存在の「リトル・ブラック・ドレス」のイラストが、アメリカのVOGUE誌に掲載され、膝丈でエレガントなそのドレスが、華やかな場にも着用できるとして、多くの女性の心を掴みました。それまで、黒一色の服は喪服と認識されていましたが、シャネルが発表するやいなや、20年代のイット・ドレスとして一世を風靡しました。
 

Part1では、第二次世界大戦前のシャネルのライバルであったマドレーヌ・ヴィオネ、ジャンヌ・ランヴァン、エルザ・スキャパレリといった女性デザイナーたちの作品とともにシャネルの作品を展示。ヴィオネとランヴァンはシャネル同様、貧しい家庭の出ではありましたが、熟練した技術を武器に、自ら道を切り開いていきました。シャネルの一番のライバルでもあったスキャパレリは、名家出身で、ファッションをアートとして捉えていました。1930年代の彼女のウィットを交えた作品は、シャネルのモダニストスタイルを脅かす存在でした。シャネルは皮肉を込めて、「服を作るイタリア人アーティスト」と呼んでいたとか。

第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」 にて。当時、最新ファッションを紹介する媒体「ファッションプレス」が、雑誌の役割を果たしていた第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」にて(左)ガブリエル・シャネルのイヴニング・ドレス(1927年頃) (右)ガブリエル・シャネルのイヴニング・ドレス(1929)第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」にて。エルザ・スキャパレリのイヴニング・ドレス(1930年代後半) 第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」にて。ジャンヌ・ランヴァンのイヴニング・ドレス(1924)第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」にて。マドレーヌ・ヴィオネのイヴニング・ドレス(1933年頃)
第2章「シャネルと彼女のライバルたち Part1」フォトギャラリー


「シャネルと彼女のライバルたち Part2」では、第二次世界大戦後にシャネルがメゾンを再開したときにフォーカスし、クリスチャン・ディオールやクリストバル・バレンシアガといった、男性優位の時代のドレスを観ることができて、こちらも必見です。

第2章の「シャネルと彼女のライバルたち Part2」にて。ガブリエル・シャネルのデイ・スーツ(1965年頃)

 

第2章の「シャネルと彼女のライバルたち Part2」にて。クリスチャン・ディオールのボウルガウン(1957年)


そのほか、日本の着物が西洋のファッションに絶大な影響を与えたことが理解できる第3章「日本と西洋のファッション」や、ファッションの視覚的なイメージも重要性だと捉える第4章「ファッション:イメージと対象」もとても興味深い内容になっています。

3章「日本と西洋のファッション」の展示風景

 

第4章「ファッション:イメージと対象」の展示風景<br>(左から)山本耀司のドレス(2002年)、コム・デ・ギャルソンの川久保玲のドレス(1997年)、三宅一生のロングセーター(1980年代)


世界的フォトグラファーであるヘルムート・ニュートンや、サラ・ムーン、アーヴィング・ペン、マン・レイ、ニック・ナイトなど、錚々たる面々のファッション写真や、20世紀後半に現代のファッションの世界において革命をもたらした日本人デザイナーの三宅一生、山本耀司、川久保玲といった3名によるドレスも展示されており、一見の価値あり、です。

3章「日本と西洋のファッション」にて。(手前)マリアノ・フォルチュニの「デルフォス」ドレス(1920年頃)と、「キモノ」ジャケット(1925年頃)。 (後ろ)日本の水玉入り十字絣着物(1910年代)第4章「ファッション:イメージと対象」の展示風景第4章「ファッション:イメージと対象」にて。《YOHJI YAMAMOTO FEMME》1988秋冬 ニックナイト(1988年)第4章「ファッション:イメージと対象」にて。《ハーレクインドレスを着たリサ・フォンサグリーヴス》アーヴィング・ペン(1950年/1979年 )
第3章・第4章フォトギャラリー

神戸ファッション美術館にて、満を持して公開されている本展。スティール氏曰く「1章のロココ、2章のシャネルと彼女のライバルたちの章に展示されているドレスは、素晴らしいものばかりなのでぜひご覧になってください」とのこと。ファッションに興味のある方はもちろん、そうではない方も、ぜひ会場に足を運んで、スティール氏の生み出した世界観を体感してください。

「神戸ファッション美術館」のライブラリーには、ヴァレリー・スティール氏の書物も揃っているので、ぜひ手に取ってみては?

 

■特別展「Treasures of Fashion ヴァレリー・スティールの審美眼」
会 場:神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2-9-1)
会 期:2020年5月19日(火)~8月30日(日)
時 間:10:00〜18:00
*入館は17:30まで
休 館:月曜日、8月11日(火)
*8月10日(月・祝日)は開館
料 金:一般1,000円(800円) 65歳以上・大学生500円(400円)、高校生以下は無料
*( )内は有料入館者30名以上の団体料金
*神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券(半券)をお持ちの方は割引を受けられます。
*小学生以下は保護者(大学生以上)の同伴が必要です。

事前に神戸ファッション美術館の最新ニュースや新型コロナウイルス感染拡大防止対策をご確認の上、観覧をお楽しみください。


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応募方法:TwitterかFacebookでこの特別展「TREASURES OF FASHION ヴァレリー・スティールの審美眼」ページをシェアしてください。
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当選通知:当選者へは2020年7月 10日(金) までにご連絡します。

※ シェアする際には必ずハッシュタグ 「#ARTLOGUEチケットプレゼント」 をつけてください。

※ 当選時に連絡が出来るようにARTLOGUEのアカウントのフォローをお願いします(フォローがない場合は当選が無効になってしまいますのでご注意くださいませ)。

※新型コロナウイルス感染防止にともない会期等変更になる可能性もございますこと予めご了承ください。

応募締切:2020年7月6日 (月)

 

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