クリエイティブユニット「graf(グラフ)」が手掛けた京町家宿「京の温所 御所西」がオープン!
徒歩圏内には京都文化博物館も。住まうように暮らすアートな京都ステイ

木漏れ日が静かに変化していく庭とつながったリビング

株式会社ワコールは、2019年11月1日(金)に京町家をリノベーションした宿泊施設「京の温所(おんどころ) 御所西(ごしょにし)」を京都・御所西エリアにオープン!

『京の温所 御所西』の外観(昼)

ワコールが展開する宿泊施設「京の温所」の6軒目となる「京の温所 御所西」は、暮らしにまつわる様々な要素をものづくりから考え実践する、大阪を拠点とするクリエイティブユニット「graf(グラフ)」がディレクションを手掛けました。

市内観光にも便利で、伝統的な景観が色濃く残っている御所西エリアにある築100年以上のとある京町家。坪庭から入る静かな光が印象的ながら長年空き家となっていたこの京町家を、伝統工法で組まれた梁や柱を活かしつつ、光と影、季節を豊かに感じる現代生活に寄り添った“住まい”へとリノベーションしました。

木漏れ日が静かに変化していく庭とつながったリビングは“木のトンネル”をイメージし、床、壁、天井をすべてブラックチェリーの木材でぐるりと囲んで季節や時間の移ろいが感じられる空間となっています。また、食卓を囲むダイニングは、テーブルの上は開放的な吹き抜けで、天窓から降り注ぐ光が豊かに感じられます。

キッチン&ダイニングのテーブルの上は吹き抜けで、天窓から光が降り注ぐ

庭を眺められるリビングは静かに、キッチンは賑やかな場を想定したデザインになっており、両者が上手く共存しています。

ダイニングから庭までが見通せる


ソファやテーブルの家具はもちろん、ベッドルームや和室の照明に至るまで、多くのアイテムは「京の温所 御所西」のためにgrafがオリジナルでデザイン。「京の温所 御所西」のためにgraf設計部が選定したアートピースは、静かで抽象的な表現ですが、手仕事の温もりも感じさせ、彩りを添えています。

前川和昭氏の和紙を使ったアートピースが飾られているライブラリー


今回設計を担当したgraf設計部の千葉 禎氏は、「京の温所 御所西」の設計プランや魅力について次のように語っています。

1年前の7月に現地調査で建物の中に入った時、中庭の方から真夏の光がうっそうとした緑に反射されて、室内にのびてくるのをとても美しく感じ、設計にあたっては中庭と室内が一体となった、光や季節感を豊かに感じられる空間を作ろうと、まず第一に考えました。建物の軸組のみを残した解体後のレイアウトプランは、真ん中の吹き抜けを中心として、さまざまな種類の居場所を点在させているので、みんなでワイワイと楽しんだり、一人で静かにくつろだりと、コンパクトですが多様な過ごし方ができる宿になったと思っています。家具や把手などは、周囲と溶け込みながら美しく経年変化を重ねるデザインをこころがけて、信頼できる作り手と共に作り込みました。また、空間内に設置するアートワークは全国各地のアーティストを実際に訪ねて集めたりと、細部までこだわりました。「京の温所 御所西」で、たくさんの方がさまざまな過ごし方をして、旅を楽しんでもらえたら。

そんなこだわりがたくさん詰まった「京の温所 御所西」に宿泊するのなら、せっかくなのでアートを観に出掛けたいところ。徒歩約15分圏内にある「京都文化博物館」では2020年1月13日(月・祝)まで「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」が開催中です。19世紀末から20世紀初頭にかけてパリで活躍し、アール・ヌーヴォーの旗手として名を成した芸術家アルフォンス・ミュシャ。彼が紡ぎだした、「線の魔術」ともいえる華やかな作品は、没後80年経った今なお、世界中の人たちを魅了し続けています。

アルフォンス・ミュシャ ≪ヒヤシンス姫≫1911年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 ©Mucha Trust 2019

 

アルフォンス・ミュシャ ≪椿姫≫1896 年 カラ―リトグラフ ミュシャ財団蔵 ©Mucha Trust 2019

 

アルフォンス・ミュシャ ≪黄道十二宮≫1896 年 カラ―リトグラフ ミュシャ財団蔵 ©Mucha Trust 2019


同展では、ミュシャが手がけたポスターなどのグラフィック作品はもとより、ミュシャ幼少期の作品、蔵書や工芸品、アトリエで撮影された写真、祖国チェコへの想いを込めた作品などを通して、ミュシャの多様な魅力に迫ります。他にも、ミュシャの作品から影響を受けた明治期の文芸誌から、1960-70年代のイギリス・アメリカを席巻したグラフィック・アート作品、日本のマンガ家やイラストレーターの作品まで、およそ250点を展示。時代を超えて愛される画家の秘密をひも解く、これまでにないミュシャ展です。

「京の温所 御所西」に住まうように宿泊し、徒歩圏内の「京都文化博物館」を訪れて、感性を刺激する京都の旅を思う存分満喫してみてくださいね!

『京の温所 御所西』の外観IHコンロを3口設けた使い勝手のよいキッチン食事が楽しくなる「graf」オリジナルのカトラリーみずみずしい緑が映える、リビングとつながった庭穴蔵のような和室への入口町家らしい勾配天井の和室町家らしい梁が見えるベッドルーム壁に椹(サワラ)を使用したお風呂
「京の温所 御所西」フォトギャラリー

■「京の温所 御所西」
所在地:京都府京都市上京区衣棚通椹木町上る門跡町291
アクセス:京都市営地下鉄 丸太町駅 徒歩7分、
京都市バス停 烏丸丸太町 徒歩5分
開業日:2019年11月1日(金)
延床面積:83平米
間取り:1階 キッチン&ダイニング、リビング、お風呂、洗面、トイレ、庭
2階 ベッドルーム、和室、ライブラリー
料金:一泊67,000円~(税込、人数と時期により変動)
定員:最大4名
チェックイン:16時から(ワコール新京都ビルでのフロント受付は10:00~17:00)
チェックアウト:11時まで
お問合せ先:メールアドレス:kyo-ondokoro@wacoal.co.jp
フリーダイヤル:0120-307-056(ワコールお客様センター  平日:9:30~17:00)

■「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」
会 期:2019年10月12日(土)~2020年1月13日(月・祝)
会 場:京都文化博物館4・3階展示室
休 館:月曜日
*祝日の場合は開館、翌日休館
*12月28日(土)〜2020年1月3日(金)年末年始休館
時 間:10:00~18:00
*金曜日は19:30まで(入場はそれぞれ30分前まで)
料 金:一般 1,500(1,300) 円、大高生1,200(1,000)円、 中小生500(300)円
*(  )は20名以上の団体料金
*未就学児は無料(要保護者同伴)
*障害者手帳等をご提示の方と付き添い1人までは無料
*学生料金で入場の際には学生証を要提示
*上記料金で、2階総合展示と3階フィルムシアター鑑賞可(催事により有料の場合あり)
*京都国際マンガミュージアムと入場券(半券可)提示で相互割引(当日料金から200円引)を実施

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