「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち」 東京都庭園美術館 : フォト & ビデオレポート

鈴木大輔

鈴木大輔

《アニミタス》(小さな魂)、2014年 Photo: Angelika Markul Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery

フランス現代美術界の巨匠クリスチャン・ボ ルタンスキーの展覧会が東京都庭園美術館で開催中です。

ボルタンスキーは、映像作品やパフォーマンス性の高い作品を 制作していた初期から現在まで一貫して、歴史の中で濾過される記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在) と死(消滅)を表現してきました。

会場の東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸(1933年竣工、国の重要文化財)であり、アール・デコ様式の邸宅を改築した美術館です。 中に入ると一見、邸宅の調度品以外は何もないように思いますが、歩いていると、どこからともなく誰かの声が聞こえてきます。 これは、ボルタンスキーが旧朝香宮邸に往来していた人たちや、そこでの会話を想像し、しかし、実際に起きたことではなく、時空間を超越した匿名の存在としての「亡霊たち」に語らせた言葉です。
他にも、かつて書庫だった部屋では豊島でサンプリングされた「心臓音のアーカイブ」(2010年)より提供された、「誰か」の心臓音に合わせて電球が明滅する《心臓音》(2005年)や、大量の古着を黄金のエマージェンシー・ブランケットで覆った巨大な山のような《帰郷》(2016年)なども展示されています。

ボルタンスキーは2019年に日本で大規模な回顧展を予定しており、本展は序章となる展覧会だと言っています。普通の美術館では出来ない、アール・デコ様式の邸宅跡ならではの展覧会です。


クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち

会期:2016年9月22日(木・祝)~12月25日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館・新館ギャラリー1・2)
オフィシャルサイト:http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160922-1225_boltanski.html


クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち フォト & ビデオレポート

《さざめく亡霊たち》 2016

《心臓音》 2015

 

鈴木大輔

ARTLOGUE(株式会社アートローグ、一般社団法人 WORLD ART DIALOGUE) 代表取締役CEO/編集長。大阪市立大学都市研究プラザのグローバルCOEに於ける研究プロジェクトを経て起業。2014 年グッドデザイン賞受賞、2015 年度 京都大学GTEP プログラム(文科省)ファイナリスト、2016 年ミライノピッチ(ビジネスコンテスト:総務省近畿総合通信局)においてグローバルイノベーションに値するOIH 賞を受賞。(公財)京都高度技術研究所の「京都ビジネスデザインスクール」TA。文化経済学会、デジタルアーカイブ学会所属。アートを利活用し、より良い社会の実現を目指すアートイノベーター。