「Enfance/こども時代」展 ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部    更新日: 2018.07.09

EXHIBITION / 展覧会

「Enfance/こども時代」展

パレ・ド・トーキョー| 2018.6.22(金) 〜 9.9(日)

  • 普通

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概要

 横山裕一「ドレスアップ」より(「ニュー土木」収録、©イースト・プレス、2003)

 

最先端の現代アートを常に発信しているパレ・ド・トーキョーにおいて開催する、日本とフランス、ならびにさまざまな国のアーティストによる、「こども時代」をテーマにした日仏共同企画の現代アート展です。

3000 ㎡の展示スペースを使って繰り広げられる、20 人近くの現代アートの作家やフランス工芸職人による大型作品の数々は、ラビリンスのように 展開し、こども時代の空想、神話、そして成長の問題などを問いかけます。また会場正面玄関脇の屋外スペースには、Amabouz Taturo(旧名 西 野達)による新作の大型インスタレーション「A Doll’s House」が展示されます。

 

■キュレーター・ステートメント

私たちの子ども時代はそれぞれ違います。例えば、1970 年代の関東地方に生まれた私の子ども時代と、敗戦の翌年に東北地方で生まれた父の子ども時代はまったく違います。私たちはみな、世界のいろいろな場所で、異なる子ども時代を経験するのです。そして、子ども時代が違うということ以上に、子ども自体がそれぞれ違います。子どもは、社会、文化、歴史、そして生物学的側面が複雑に混ざり合ったハイブリッドです。

この展覧会はある一つのストーリーとして編まれており、子どもの本や遊びによく見られる感情や原形が基盤にあります。同時に別の特徴にも気づくはずです。それは異なるイメージや素材の組み合わせによる表現です。これは現代性に対して鋭い感性を持った現代美術家たちによって捉えられた、今、2010 年代後期の子ども時代の象徴とも言えるでしょう。こういった作品群から、人々は日常的な感覚を離れた、豊かさ、新鮮さ、クレイジーさを味わうはずです。私たちが万人に共有された一つの「子ども時代」というものはないと知るとき、子ども時代とは、感じやすい心、尽きない創造力、そして限界のない想像の自由がもたらされる時と場所への、私たちの欲望と願いなのだと思います。パレ・ド・トーキョーにその時空間が出現するよう、展示を企画しました。

金沢韻/アソシエイト・キュレーター

 

■参加作家からのコメント

私のアート活動は、子供の頃に熱中した美術に対する興味と「秘密基地」作りを今も続けていると言えるかもしれない。
「子供時代」というテーマをあえて素直に解釈し、私は子供の時のように無邪気に遊ぶことで作品を構築しようと考えた。子供時代には意識しなかったアートという概念を排除するかたちで制作していく。パレ・ド・トーキョーというアートスペース=「芸術作品を見に来る場」において、子供が作ったような作品を展示することで、逆に観客は想像力をかきたてられるのではないだろうか?童心に戻った私は体に染み付いたアーティストの感覚ではなく、子供の頃に憧れた建築家のように自由に家の間取りと家具を決め、部屋の壁に幼いテクニックで絵を描く。このドールハウスは、規模は大きくなったとはいえ私の子供時代の「秘密基地」のようなものだ。

しかし、「子共時代」の行為によって完成されたこのドールハウスは、屋根には大きな穴が開き正面には壁がなく、容赦なく雨や風が入り込むことになる。家に守られた子供が社会にさらされるように、外気にさらされ展覧会期間中に劣化していくこのドールハウスは、社会の現実に直面し失われていく子供心を表していると言えるだろう。「子供時代」という展覧会が終わる頃、この作品は「子供時代」の痕跡を保っているのだろうか?

Amabouz Taturo

 

■開催概要

会 期:2018 年6月22日(金)~2018 年 9月9 日(日)
会 場:パレ・ド・トーキョー (Avenue du Président Wilson 13, パリ市 16 区)
○日本人参加作家/Amabouz Taturo、栗林隆 、鈴木友昌 、宮崎啓太 、毛利悠子 、森千裕 、横山裕一
(五十音順、敬称略)

 

『ジャポニスム2018:響きあう魂』

日仏友好160年の本2018年、両国政府間合意に基づき、芸術の都フランス・パリを中心に、大規模な日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」を開催します。

本企画では、パリ内外の100近くの会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介していきます。古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇や初音ミクまで、日本の文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、また世界に向けて発信します。

会 期:2018年7月~2018年2月
事務局:独立行政法人国際交流基金
ジャポニスム2018公式サイト:https://japonismes.org/

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