ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部 更新日: 2018.07.29
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概要
日本の哲学の歴史は、まだ1世紀を経たにすぎない。しかし、その出発点でもあり一頂点でもある西田幾多郎の思索は、2500年の蓄積をもつ哲学史のなかで、すでに古典の位置を獲得しつつある。国内外での関心の高さや研究文献の数が、そのことを如実に物語っている。「西田哲学館」は、ひとつには、このような西田の思索の跡を保存する場である。ここを訪れる人は、稀有の思想家の息吹を随所に感じとるだろう。
しかし、単に過去の事跡を保存し回顧するだけが、当館の目的ではない。陳列パネルを見終わったあとは、ぜひ敷地の自然のなかを散策し、館の奥の「空の庭」で静寂を楽しみ、ゲームを兼ねて、コンピューターを駆使したバーチャルな「哲学対話」なども、試していただきたい。かつて哲学は、生きることそのものに根ざした、もっとも身近な「問い」として始まった。生きることから遊離して文献解釈の学になるとき、哲学は衰退の運命を辿り始めるだろう。西田哲学は、生きることを凝視しつづけた哲学であったと思う。
「哲学」という名称を付したミュージアムは、哲学先進国の欧米を含めても、この「西田哲学館」だけである。建築家・安藤忠雄氏の渾身の設計を得て、それは「考えること」と「作ること」の融合の場として出現した。ふたつの営みは、いずれも生きることの基本に位置している。この「哲学館」は、訪れる人たちが考えることと作ることへと新たに向かうような場でもありたい。
しかし、単に過去の事跡を保存し回顧するだけが、当館の目的ではない。陳列パネルを見終わったあとは、ぜひ敷地の自然のなかを散策し、館の奥の「空の庭」で静寂を楽しみ、ゲームを兼ねて、コンピューターを駆使したバーチャルな「哲学対話」なども、試していただきたい。かつて哲学は、生きることそのものに根ざした、もっとも身近な「問い」として始まった。生きることから遊離して文献解釈の学になるとき、哲学は衰退の運命を辿り始めるだろう。西田哲学は、生きることを凝視しつづけた哲学であったと思う。
「哲学」という名称を付したミュージアムは、哲学先進国の欧米を含めても、この「西田哲学館」だけである。建築家・安藤忠雄氏の渾身の設計を得て、それは「考えること」と「作ること」の融合の場として出現した。ふたつの営みは、いずれも生きることの基本に位置している。この「哲学館」は、訪れる人たちが考えることと作ることへと新たに向かうような場でもありたい。
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