小林武史が総合プロデューサーを務める、ライブ・アート・パフォーマンス、食体験、アート展示が融合した「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」

「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」企画発表会にて

千葉県誕生150周年記念事業の一環として、9月から開催中の「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス 」。市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市を舞台に、「広域連携」「官民協同」による初の試みとして、アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合した、百年後の新しい未来を創っていくための持続可能なプラットフォームとしての芸術祭を目指しています。

小林武史氏北川フラム氏

総合プロデューサーはクルックフィールズ(木更津市)の代表を務める小林武史、アートディレクターは地域に根ざした芸術祭を数多く手掛ける北川フラムが務めます。

昨年9月に行われた「en Live Art Performance」

9月に初披露された、⾳楽・映像・ダンス・光・テクノロジー(ドローン)を融合させた「en Live Art Performance」を皮切りに、10月には「円都 LIVE(エントライブ)」を開催。さらに、11月には、「en Live Art Performance」と、食と学びの新たな食体験イベントとして、内房総5市などの魅力的な食材が集結した「EN NICHI BA(エンニチバ)」を同時に行いました。

本芸術祭は、「LIFE ART」と 「LIVE ART」を両軸として展開します。「LIFE ART」と 「LIVE ART」という言葉は、「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の総合プロデューサーである小林武史とアートデ ィレクターの北川フラムが、それぞれのフィールドで携わってきたこれまでの経験や想いをもって表現していくものです。

ダダン・クリスタントの過去作品/Photo by Takenori Miyamoto + Hiromi Seno

「LIFE ART」は、日本各地の芸術祭をディレクションし、市原市の「いちはらアート×ミックス」の総合ディレクターを務めた北川フラムが、 人々の生活に根ざした地域の営みに美を見いだし、アーティストとともに表現するアートです。

2024年3月23日〜5月26日のアート作品展示では、気鋭の現代アート作家を国内外から招聘し、内房総5市の各所で、アート作品を展示します。市原市においては、牛久商店街や市原湖畔美術館、旧里見小学校などの各拠点に約50作品展開します。新設となる、木更津、君津、袖ケ浦、富津の各市では、 来場者が巡回しながらアート作品を鑑賞しやすいよう、それぞれ拠点となる地域を選定し、作品を展示します。

出展アーティストとして、梅田哲也、小谷元彦、SIDE CORE、さわひらき、島袋道浩、名和晃平、リナ・バネルジー/ペギー・E・レイノルズ、保良雄、ディン・Q・レなどの他、新たに五十嵐靖晃や角文平といったアーティストの参加が追加で決定し、総勢約 80 組となります。絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、様々な手法を用いて表現される作品たちが、内房総5市を舞台に展開します。

 一方、「LIVE ART」は、音楽と音楽以外の様々な才能を融合させた新しい形のバンドButterfly Studioをはじめ、木更津のクルックフィールズなどを手掛けてきた小林武史が、瞬間瞬間に生み出されるライブパフォーマンスを中心に表現するアートです。 この2つのアートが融合し、混ざり合うことで生まれる、アート作品展示とライブパフォーマンスの新たな表現へ挑戦していきます。

「LIVE ART」のタイトルは、“通底縁劇・通底音劇”です。通底という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、 「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしています。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いを込めているそう。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している、ということもあるとのこと。

この度、音楽を主とする「LIVE ART」では、櫻井和寿、スガシカオ、宮本浩次、アイナ・ジ・エンドらと小林武史プロデュースによるスペシャルライブが決定しました。4月6日に、富津公園ジャンボプールにて、アイナ・ジ・ エンドをフィーチャーしたアートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」、4月20日、21日には、クルックフィールズ(木更津市) で、櫻井和寿、スガシカオを中心とした「super folklore(スーパーフォークロア)」、5月4日、5日は、君津市民文化ホールで 宮本浩次を中心とした「dawn song(ドーンソング)」、5月12日には荻野目洋子、MOROHAをフィーチャーした「茶の間ユニバース」。上記のメインアーティストとともに、通常の音楽ライブとは異なる次元の様々なアート的表現が展開されていきます。 年初に石川県能登地方で起こった能登半島地震に対して、「通底」の思いで内房総エリアから、表現を通じて想いを伝えつつ、APバンクの協力も得て、支援を実施していきたいと考えているとのことです。

2月9日に開催された「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」 企画発表会において、総合プロデューサーである小林武史は「本芸術祭には、環境と欲望というサブタイトルがついていますが、環境というのは私たちの力だけではそう簡単に変わることはできませんが、今問題となっているのは欲望の方なのでしょう。間違いなく僕たちの欲望をゼロにするということはできないわけですが、おそらく今問われているのは欲望をとらえ直してみたり、欲望の質を変えてみたり、工夫してみたりということを考えたり想像したり、表現したりしながら、新しい方向に向かっていくということなのだと思います。

100年後芸術祭の意味に込めた100年後という時間の感覚も、様々な問題や危機が今は想像し得る未来でもありますが、同時にここにいるほとんどの人がいない未来でもあります。だからこそ、利他的な感覚が生まれ、それを乗り越えていくというような未来に続いていくことができるのではないかと考えています。

そして東京に隣接しながら、今までの成長を支えてきた千葉内房総は、自然の力をまだまだ保有しています。これからの未来を自然の力も含めて考えるのにふさわしい場所だと考えています。想像力を集めて芸術祭という場を作ることで、続いていく未来に何らかの役割を果たせると確信しております」と語りました。


また、百年後芸術祭の内房5市に加え、山武市、佐倉市、栄町の追加されることとなりました。例えば、「山武市百年後芸術祭」では、梅田哲也、SIDE CORE、橘田優子といったアーティストの作品と、すでにそこにある自然物やアーティファクトをつなぎ、100年後のために今何ができるのかを考える機会を提示したいとのことです。

 

以上、「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」をご紹介しました。百年後芸術祭は、千葉県を舞台とした百年後を考える誰もが参加できる芸術祭です。 100年後を思うことは「利他」そのもの。 100年後に残したいアートとは何か? 100年後に残したい音楽とは何か? 100年後に残したい食とは何か? 100年後に残したいこととは何か? この芸術祭は、一緒に100年後の未来を創っていくための共創の場とのこと。 100年後を考え、表現することすべてが芸術活動になるといいます。 ぜひ、ライブ・アート・パフォーマンス、食体験、アート展示を通して、千葉県の魅力を再発見し、未来に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

■「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」LIFE ART

開催期間:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)

※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は通常営業)(全49日)

開催時間:10時〜17時 ※作品によって公開日・公開時間が異なる場合があります。

 販売期間 :前売パスポート:2024年2月 9日(金)〜3月22日(金)

当日パスポート:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)

価格:一般 当日 3,500円、前売 2,500円(税込)

小中高 当日 2,000円、前売 1,000円(税込) ※県内の小中学生は無料引換券を配布(予定)

小学生未満 無料

※芸術祭の全会場へ各1回入場可能(ただし、有料イベントや有料体験ワークショップなどは別料金)

 ※2回目からは個別鑑賞券(値段未定)が必要。

■「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」LIVE ART

・4月6日(土) 富津公園ジャンボプール(予定)

「不思議な愛な富津岬」

出演:アイナ・ジ・エンド/ 東京 QQQ(アオイヤマダ/かんばらけんた/ Kily shakley /KUMI/ 高村月/ちびもえこ/平位蛙 /MONDO/山田ホアニータ) 小林武史&スペシャルバンド

衣装:ひびのこづえ

・4月20日(土)、21日(日) クルックフィールズ(木更津)

「super folklore(スーパーフォークロア)」

出演:櫻井和寿/ スガ シカオ/ Butterfly Studio(guest vocal : Hana Hope/ dancer:KUMI/ 高村月/ dance: 浅沼圭 小林武史(Key)/ FUYU(Dr)/ 須藤優(Ba)/ 名越由貴夫(Gt)/ 沖 祥子(Vl)

・5月4日(土)、5日(日) 君津市民文化ホール

「dawn song(ドーンソング)」

出演:宮本浩次/ 落花生ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉子)/ dance:浅沼圭 小林武史(Key)/ 玉田豊夢(Dr)/ 須藤優(Ba)/ 名越由貴夫(Gt)/ ミニマルエンジン(四家卯大(Vc)、竹内理恵(Sax))

・5月12日(日) 袖ケ浦市民会館

「茶の間ユニバース」

出演:荻野目洋子/ MOROHA/落花生ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉子) and more 小林武史&スペシャルバンド トータルプロデュース:小林武史

※チケット料金、販売日は、2月20日(火)にオフィシャルサイトなどで発表予定です。 

百年後芸術祭 (100nengo-art-fes.jp)

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