前売予定数が1日で完売! 蜷川実花が挑む過去最大の展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」

2023年10月6日に開業した、森ビル株式会社が運営する虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの最上部に位置する情報発信拠点「TOKYO NODE」。開館記念企画の第2弾として、写真家・映画監督の蜷川実花が率いるクリエイティブチームEiM(エイム)による体験型展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」を開催中です。本展は2024年2月25日までの期間限定で、TOKYO NODE でしか観られない“巡回なし”の展覧会です。

映像インスタレーション、写真、立体展示などはすべて本展のために制作され、全11作品が一堂に会する、蜷川実花にとって過去最大規模となる体験型展覧会となっています。11月のチケット発売後、たった1日で予定していた前売り券が完売するなど、開催前から注目を集めていた本展。開幕前日に行われたプレスや関係者向けの内覧会には、各界から1,800名超が訪れ、関心の高さが窺えました。

12月5日の初日には、10時の開幕を今か今かと待つ来場者が列を作りました。開場を待つファンの男性は「蜷川さんの展覧会はこれで4回目の参加。発売後すぐにチケットを購入し、初日に来ると決めていた。どのような“桃源郷”が見られるのか楽しみ」 と期待している様子でした。

蜷川実花氏

蜷川実花は「今回の展覧会は、今までの自分の経験値や感覚を全て集結させました。ひとつひとつの作品がそれだけで個展のできるような濃さで作っていて、今までにない新しい体験になっているはず。今回は映像インスタレーションが多いのですが、被写体はどこも何気ない日常を切り取ったものです。自分の視点や見る角度がほんのちょっと変わるだけで、こんなにも世界は美しいんだ、と気づくような、そんな展覧会になればと思っています」と述べています。

展覧会の見どころとして、以下の4つが挙げられます。

Breathing of Lives

1.すべてが新作。CGを使わず「リアル」な被写体で構成されたインスタレーション

本展のために制作された映像は、幻想的な美しさながら、CGを使用せずに現実を切り取っています。日常の中にある儚い美しさを、永遠の存在として昇華しています。

2.作品ごとに異なるチームメンバーが集結。すべてが展覧会の「顔」レベルとなる11の作品群

建築、音楽、舞台美術など、各分野のプロフェッショナルらと共創。11作品それぞれが、個展であれば主作品となるレベルで制作されながら、展覧会として互いに連結したひとつの体験に仕上げられています。

3.巡回不可、「地上200mからの東京」を借景にした、TOKYO NODEでしか見られないアート体験

各展示はTOKYO NODEの広大なギャラリースペースに合わせて制作されており、他施設で同じ作品体験ができません。さらに外光すらも作品の一部に取り入れることで、訪れるたびに異なる表情を楽しむことができる設計となっています。

4.「100万色の桃源郷」に飛びこむ。五感で楽しむ没入型の展覧会

現実世界にある色を最大限に引き出した「100万色」の光彩色で彩られた空間は、まるで桃源郷。さらに本展では、音や香りを感じる作品や、寝転んで鑑賞できるインスタレーションに加え、TOKYO NODE内の飲食店とのコラボ企画もあり、視覚だけでなく五感すべてを使って楽しめる構成です。

次に、おすすめ作品を3つピックアップします!

1.残照 Afterglow of Lives 

残照 Afterglow of Lives

作品《残照 Afterglow of Lives》は、命が生まれ散っていく生命のサイクルを、様々な時間軸の中で表現した空間展示です。一方の面では、色鮮やかに咲き誇る様々な花々が命の力と多様な豊かさを示しています。もう一方の面では、枯れた花々が落ち、種子が散りゆく様が表現され、生命の終わりと再生の始まりを描いています。この二面性は、美しさとは一瞬にして変わるものであり、しかし新たな再生への道を示すものであるという、生命の一部である死と再生を表現しています。

本作品は、生と死、繁栄と衰退、明と暗といったコントラストを、私たちの人生や世界の移ろいと重ねています。美しく咲き誇る花々も枯れた花との対比の中で無常感が滲みます。また枯れた花を観察するとただ悲しいだけでなく、次の命の種子を宿す希望が内包されていることも感じられるかもしれません。咲く花と枯れた花は美醜によって対比されるのではなく、そのどちらにも美しさがあります。鑑賞者は自身の経験や感情、未来に対する考えを反映させながら作品と向き合うことで、作品の中にある多様な美しさを理解できるでしょう。

2.Blooming Emotions

Blooming Emotions

作品Blooming Emotionsで撮影された生花のほとんどは、自然の中にあるがままに咲いている花ではなく、誰かに向けて育てられた花です。花は本来は種子を運ぶために昆虫の目を引きつけるものですが、人間社会との共存の中で、人々の暮らしに多様な豊かさをもたらすパートナーという側面でも繁栄してきました。この展覧会では、その時々に私たちが感じる情感とともに、人々に寄り添って咲く花々のイメージを共有しています。

散りゆく、移ろいゆく、色褪せていく中にある美しさ、幻想的に光を受ける花々がもたらす夢のような感覚。春の訪れを告げ、艶やかに輝く花々の中にある高揚感、たとえ儚くとも、力強く咲き誇る命の息吹。鑑賞者は、作品と向き合う中で、アーティストが感じてきた様々な感情をともに体験することができます。鑑賞者がこれまでの人生で出会ってきた様々な感情と、作品の奏でる美しさが結ばれることで生まれる体験を探すことも、この展示の一つの見方となっています。ぜひ寝転がって鑑賞してみてください。

3.胡蝶のめぐる季節 Seasons : Flight with Butterfly

胡蝶のめぐる季節 Seasons : Flight with Butterfly

まるで「胡蝶の夢」を見ているようなこの作品は、蝶に誘われながら、四季の花々をめぐる映像作品です。蝶のように浮遊する視点で、鑑賞者は時に花々が織りなす色彩に包まれ、また時に命の芽吹きに祝福され、咲き誇る空間に引き込まれていきます。

一方で、幻想的な体験をもたらす本作品は、実際はほとんど加工がされていない現実のものであり、また多くの花々は日常の中で撮影されています。蝶は夢と現実をつなぐ象徴である一方、Butterfly effectという言葉の通り、多様な未来の可能性の象徴でもあります。これは蝶が環境の影響を受けやすい生物であるという認識からもきています。

激動する社会情勢下における人と世界の関係は、時に蝶の儚さにも重なります。本映像作品は、アーティスト自身も翻弄される中で、普遍的にある世界の美しさ、その先にある未来を見つめて制作されました。

 

さらに本展では、会場の「外」でも世界観が楽しめる仕掛けを多数用意しています。

TOKYO NODE CAFE

TOKYO NODE内にあるカフェ・バー「TOKYO NODE CAFE」では、本展とのコラボメニューが登場。本展の世界観をイメージした、美しい見た目とこだわりの味わいが楽しめるフードやスイーツ、ドリンクを提供します。

例えば、ムール貝のイカスミパスタ サラダブーケは、キービジュアルの鮮やかさと静けさをイメージした一品。エディブルフラワーや花穂紫蘇を添えた彩り豊かなサラダブーケと、イカスミでコクを加えたパスタの二品が楽しめる一皿です。

TOKYO NODE DINING

本展会場と同フロアのレストラン 「TOKYO NODE DINING」では、アジア人で初のフレンチミシュラン3つ星を獲得した小林圭シェフが開発を手掛けた注目のコラボスイーツも登場します。

こちらは、フランボワーズのジュレ、フィアンティーヌ(フレーク)、ソルベなどが美しく折り重なった華やかなパルフェ。蜷川実花のモチーフでもある花をイメージした、鮮やかなチョコレートがポイントになっています。

POP UP ショップMASU

会期中にオープンするオフィシャル POP UPショップでは、ファッションブランドとのスペシャルコラボアイテムを発売。新しい女性の姿をデザインする「FETICO」、独自のパンク精神を洋服に宿す「KIDILL」、ユニークなアイデ アとストーリー性が魅力の「MASU」、自由な表現で東京の今を切り取る「TENDER PERSON」など、気鋭のブラン ドと蜷川実花がコラボレーションしたアイテムを本POP UPショップ限定で販売中です (いずれも数量限定・なくなり次第終了)。また、大胆なシルエットで世界から注目を集める「TOMO KOIZUMI」が、本展の開催を記念した一点物のドレス(非売品)を制作。ショップ内で展示を行っています。

 

以上、蜷川実花が挑む過去最大の展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」をご紹介しました。ぜひ会場に足を運んで、蜷川実花ワールドを思う存分体感してみてください。

 

※「TOKYO NODE」が開館記念企画 第二弾として開催した「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」は、2024年2月25日(日)に81日間の会期を終え、盛況裡に閉幕しました。開幕以降“アート作品に没入できる注目スポット”として大きな話題を呼び、国内に加え海外からのお客様も多数ご来場され、会期中の来場者総数は25万人を記録しました。

蜷川実花は、本展の結果を受けて「本当にたくさんの方に観ていただけて心から感謝します。人数が全てではないけれど、やはりとても嬉しいです。この展覧会はEiMというチームでつくり上げました。私ひとりではできなかった新しい世界を実現できたと思います。制作過程で新しくやりたいこともたくさん見えてきましたし、次に向けてスタート地点に立った気持ちです。これからもつくり続けます。」とコメントしました。

TOKYO NODEは、今後2024年夏に、音楽をテーマにした新たな体験型企画も計画中とのこと。TOKYO NODEは今後も“人間のクリエイティビティを刺激する”取り組みを仕掛ける施設として、新しい体験を発信していくと述べています。 

 

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」

会期:2023年12月5日(火)〜2024年2月25日(日)

会場:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F  TOKYO NODE GALLERY A/B/C

東京都港区虎ノ門二丁目6番2号

公式サイト:蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠 (tokyonode.jp)

チケット情報:チケット|蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠 (tokyonode.jp)

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