専門家と一緒に「共にあること」 とアートへの関わり方について学び考える、国立新美術館で開催される連続講座:「アートをめぐる場の設計」

国立新美術館
国立新美術館 連続講座:アートをめぐる場の設計

芸術を介した相互理解と共生の視点に立った新しい文化の創造に寄与することを使命に、2007年に独立行政法人国立美術館に属する5番目の施設として開館した「国立新美術館」。以来、コレクションを持たない代わりに、人々がさまざまな芸術表現を体験し、学び、 多様な価値観を認め合うことができるアートセンターとして活動しています。具体的には、 国内最大級の展示スペース(14,000 ㎡)を生かした多彩な展覧会の開催や、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、さまざまな教育普及プログラムの実施に取り組んでいます。

この度国立新美術館は、2023年12月10日から全4回の連続講座を開催します。美術館が通常開館に戻り始めた2022年、本館では「美術館を考える」と題した連続講座を開設し、美術館の成り立ちや90年代以降のグローバリズム、メディア論的観点から、美術館の公共性を問い直してきました。 各地の美術館や芸術祭が再開するにつれ、その場でしか得られない体験やそれらを求めて移動することが、新たな意味を持ち始めています。

今回の連続講座では、さらに視野を広げ「アートをめぐる場の設計」をテーマとします。 全4回にわたって開催される本講座では、アートの第一線で活躍する講師・専門家の講義を通じて学び、立場の違いを超えて共通の関心が形成されていく現在進行中の取り組みを紐解きながら、地域と美術館の関わり、ツーリズム、分散型の映像アーカイブ、環境美学などの観点から、「共にあること」とアートの関わりを考え ていくといいます。 現代美術やアートマネジメントに関心のある方をはじめとする、アートに携わるすべての方とともに、アートと社会の接点を考える場をつくります。

鷲田めるろ氏

第1回は、十和田市現代美術館館長で東京藝術大学准教授の鷲田めるろ氏を迎え、現場で見えてきた課題を共有し、また「地域と美術館の関係を考える」ことを目指しながら、変化する状況を背景に美術館はどのように地域と関わることができるのかを考えます。

鷲田氏は「地域と美術館の関係は大きく2つに分けられる。一つは、美術館と地域の人たちとの文化を通じた直接的な関わり。もう一つは、地域外の人たちが美術館を訪れることで生まれる地域への経済的な影響。後者に関しては、金沢21世紀美術館が構想された2000年頃から、まちづくりや商店街の再活性化などに対して美術館が果たす役割が、さらに十和田市現代美術館が開館した2010年頃からは海外を含む観光客を地域に惹きつけるための拠点としての役割が注目されるようになった。変化する状況を背景に美術館はどのように地域と関係すべきか。金沢21世紀美術館や十和田市現代美術館を例に、現場で見えてきた課題を共有し、論点を整理する」と語っています。

山岸綾氏佐藤知久氏 松田愛氏

他、第2回には一級建築士事務所サイクル・アーキテクツ代表で、中部大学工学部建築学科准教授の山岸綾氏の「芸術祭の空間論」、第3回は京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授の佐藤知久氏の「アートをめぐる分散型アーカイブの設計(仮)」、第4回は富山大学学術研究部芸術文化学系准教授の松田愛氏による「ソフィ・カルの視点から(仮)」を予定しています。

2020年のパンデミック以降、私たちは「共にあること」の意味を自問してきたのではないでしょうか。更に戦争や対立が深まっている日々、美術館においても例外ではなく、異なる立場の人々が同じ空間を共有しながら作品と出会い、遠い世界や他者を想像し、内省的な時間を持つことの意義を再認識しつつあると国立新美術館は述べています。

今回の連続講座では、前回の連続講座「美術館を考える」に続き、さらに視野を広げて「アートをめぐる場の設計」をテーマとします。立場の違いを超えて共通の関心が形成されていく現在進行中の取り組みを紐解きながら、地域とアートの関わり、 ツーリズム、市民が作る映像アーカイブ、環境美学などの観点から、「共にあること」 とアートの関わりを考えます。気になる方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

■国立新美術館 連続講座:「アートをめぐる場の設計」

第1回「地域と美術館の関係を考える」

講師:鷲田めるろ(十和田市現代美術館館長/東京藝術大学准教授)

日時:2023年12月10日(日) 15:00~16:30(14:30開場)

会場:国立新美術館 3階講堂

定員:60名 ※応募者多数の場合は抽選

料金:無料

対象:どなたでも参加可能です。 特に現代美術に関する学術分野(博物館学・美術史学・ミュージアムスタディーズ・空間設計など)に関心のある方、アートマネジメントに関心のある方、アーティスト、公立文化施設について深く考えたい方など。

申込方法:国立新美術館WEB サイト申込フォームにて受付中

申込期間:2023年11月13日(月)~2023年12月4日(月)

※全4回の講座ですが、1回ごとの申し込みとなります。

※第1回目の申込は終了しました

 

第2回「芸術祭の空間論」

講師:山岸綾(サイクル・アーキテクツ代表/中部大学准教授)

日時:2024年1月28日(日) 15:00~16:30(14:30 開場)

会場:国立新美術館 3階講堂

定員:60名 ※応募者多数の場合は抽選

料金:無料  ※1回ごとの申し込みとなります。申込方法など詳細はHPをご確認ください。

 

第3回「アートをめぐる分散型アーカイブの設計(仮)」

日時:2024年2月17日(土) 15:00~16:30(14:30 開場)

会場:国立新美術館 3階講堂

定員:60名 ※応募者多数の場合は抽選

料金:無料  ※1回ごとの申し込みとなります。申込方法など詳細はHPをご確認ください。

 

第4回「ソフィ・カルの視点から(仮)」

講師:松田愛(富山大学学術研究部芸術文化学系准教授)

日時:2024年3月3日(日) 15:00~16:30(14:30 開場)

会場:国立新美術館 3階講堂

定員:60名 ※応募者多数の場合は抽選

料金:無料  ※1回ごとの申し込みとなります。申込方法など詳細はHPをご確認ください。

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