密やかに女性の身体を彩る下着のレース。装飾の変遷からみえる100年
芳木麻里絵「fond de robe ー内にある装飾ー 」

密やかに女性の身体を彩る下着のレース。装飾の変遷からみえる100年<br>芳木麻里絵「fond de robe ー内にある装飾ー 」

2月7日(金)より、ワコールスタディホール京都にて、京都を拠点に活動する芳木麻里絵氏の個展「fond de robe-内にある装飾-」が開催されます。

これまで「光の印影」や「独特の質感を感じさせる表層」をキーワードに版画技法の一つであるシルクスクリーンを用い、インクを数百回刷り重ねることで立体的な作品を制作してきた芳木氏。本展では普段衣服の下に隠されながらも、身体を美しく装飾するために付加された下着のレースに着目し、公益財団法人 京都服飾文化研究財団(KCI)の協力の下、現在の下着の原型とも言われる1920年代のブラジャーやスリップに見られるレースと、現在ワコールが展開するプレステージブランド「トレフル」の下着に用いている繊細なレースをモチーフとした新作を展示します。

第一次大戦期に労働力として社会進出した女性のために、それまでのコルセットに変わり現代的なブラジャーが生まれたように、下着は女性の社会的地位の変遷とともに変化を続けてきました。戦後は、機械織りによるレースの製造が広まり、多くの女性の手に届くようになり、下着への意識も変化します。外からは見えないものの、下着は各時代における女性の社会的ステータスや価値観の基礎となってきました。

作品を通し、衣服の下で身体を支える土台的な役割を担う下着(=fond de robe )の装飾の様相から、100 年前と現代との時代背景や価値観の基盤を紐解きます。

※本展は京都で五感を刺激するアート巡り「ARTISTS' FAIR KYOTO 2020」のサテライトイベントです。
 

《Lace#26》2019年 17×22.5×3cm アクリルボックスの上にシルクスクリーン《Lace#21》 2012年 59×49cm アクリル板の上にシルクスクリーン photoOMOTE Nobutada《Lace#21》 2012年 59×49cm アクリル板の上にシルクスクリーン photoOMOTE Nobutadaブラジャー(1925年頃)京都服飾文化研究財団所蔵 photoHATAKEYAMA Takashiブラジャー(2020年) SPRING&SUMMER 株式会社ワコール トレフル photoYOSHIKI Marie芳木麻里絵氏
芳木麻里絵「fond de robe ー内にある装飾ー 」フォトギャラリー

■概要
芳木麻里絵「fond de robe ー内にある装飾ー」
会 期:2020年2月7日(金)〜3月28日(土) 
会 場:ワコールスタディホール京都 ギャラリー
時 間:火曜~金曜 10:00-20:00/土曜 10:00-17:30
休 館:日曜・月曜・祝日 
料 金:無料
 

■関連イベント
〇オープニングパーティー
出展作家を迎えて作品紹介を行います。
日 時:2020年2月7日(金)19:00-20:30
会 場:ワコールスタディホール京都

※その他詳細はこちらをご確認ください。

 

■「ARTISTS' FAIR KYOTO 2020」について
古都京都を会場に、日本人の意識の底流に脈々と受け継がれる日本の美意識を20代、30代の新進の若手アーティストたちがコンテンポラリーに表現し、その作品を一堂に展示するイベントです。
会 期:2020年2月29日(土)~3月1日(日)
会 場:京都文化博物館(旧日本銀行京都支店)、京都新聞ビル 印刷工場跡
https://artists-fair.kyoto/

 

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