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ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部    更新日: 2019.08.08

EXHIBITION / 展覧会

須賀川市

柔らかな版:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.32

CCGA現代グラフィックアートセンター| 2019.9.14(土) 〜 12.22(日)

  • 普通

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概要

木版画や銅版画が、硬い版材の表面から紙へとインクを写し取る技法であるのに対し、スクリーンプリント(シルクスクリーン)は、柔らかい布の織り目を通してインクを転写するという点が大きな特徴です。古来より各地でおこなわれてきた繊維の型染めに起源をもつともいわれるスクリーンプリントは、19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパやアメリカにおいて発展した、版画・印刷の技術としては新しいものです。スクリーンプリントでは、メッシュとも呼ばれる薄い布を枠に張ってスクリーンとし、その一部に目止めを施します。スクリーン全体の上からスキージという道具でインクを下に押し出すと、目止めのない部分の布目を通してインクが支持体に転写されて絵柄になります。他の版種より比較的手軽なうえ、紙以外にもさまざまな素材に刷ることができるこの技法は、最初に商業印刷や工業の分野で活用されるようになりました。感光乳剤を使って目止めをおこなう写真製版技術の確立を経た1960年代以降、スクリーンプリントは美術表現のための版画技法としても大きな注目を集めることになりました。とくに、広告や漫画からの直接的な引用を現代のイメージを表現する手法として用いたポップ・アートの作家たちは、写真製版により既成の画像を転写することが容易な点に注目し、スクリーンプリントを作品制作に積極的に取り入れました。また、ハード・エッジとも呼ばれた幾何学的抽象絵画の作家たちも、インクを厚く盛ることによりフラットで物質感の強い色面を得られる点を生かして、スクリーンプリント作品を数多く制作しました。その後も、独特の明瞭な画面を実現できるこの技法は、さまざまなアーティストを惹きつけてきました。本展では、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションから、アメリカ現代美術を代表する作家たちがニューヨークのタイラーグラフィックス版画工房を舞台に生み出したスクリーンプリント作品を展示します。また、商業印刷の分野におけるスクリーンプリントの使用例として、日本のグラフィックデザイナーたちがこの技法を用いて制作したポスター作品の小展示を同時開催します。本展が、スクリーンプリントの幅広い魅力に触れる機会となれば幸いです。

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