4年目を迎えたデザイン&アートイベント「DESIGNART TOKYO」。オンライン&分散回遊型イベントとして、アートやデザイン分野が停滞することのないようにドライブ

4年目を迎えたデザイン&アートイベント「DESIGNART TOKYO」。オンライン&分散回遊型イベントとして、アートやデザイン分野が停滞することのないようにドライブ

2017年に始まってから、毎秋に開催されている分散回遊型のデザイン&アートイベント「DESIGNART TOKYO」。約100箇所にものぼる東京都内各所のショップやギャラリーといった様々な会場を使い、会期中は東京の街全体が美術館になるというコンセプトです。4年目を迎えた「DESIGNART TOKYO 2020」は、新型コロナウィルス(COVID-19)の流行下でも、アートやデザイン分野が停滞することの無いようドライブしていくことが大切と考え、安全対策を充分とった分散回遊型イベントとしてオンラインとあわせて開催。バーチャル展示やデジタルガイドブック、プレゼンテーション動画の導入、オンラインカンファレンスの実施など、開催以来最大でオンラインコミュニケーションを強化します。今年は新型コロナウィルスの影響もあって、出展者数が少なくなっていますが、約70箇所の会場で開催される予定です。

本展は、「NEW HOME OFFICE 展」、「FormSWISS」、「ア・ライトハウス・カナタ」、「UNDER 30」、「OVER 2020」といった5つの展覧会・プロジェクトを包括。次に詳しくみていきましょう。
 

■ホームオフィスの新たな提案の場「NEW HOME OFFICE 展」

Citizen / Design by Konstantin Grcic , 2020 / vitra

今年、国内外で長期にわたり外出自粛を迫られるなか、自宅などでのリモートワークを多くの人が経験しました。また、オンライン会議も大幅に増え、画面に映る背景やパーソナルな見え方を意識した人も多かったことでしょう。これにより、家具などのインテリアを今まで以上に見つめ直す機会となったことはいうまでもありません。そしてこの経験は、インテリア業界にも大きな気づきや変化をもたらしました。本展では、様々な分野で影響を及ぼした仕事の環境や在り方に対する意識の変化に寄り添い、これからのホームオフィスの新たな提案の場として、世界屈指の家具ブランドによる展示販売を行います。

会場構成は建築家の神谷修平氏。神谷氏は建築家・隈研吾氏に師事。伝統や地域に寄り添いながら建築をつくる大切さを学び、国内外の様々なクライアントに斬新な建築デザインを提供しています。その後デンマークにわたりビャルケ・インゲルス率いるBIGにて国際コンペ等を担当し、現代建築の最先端に身を置きました。建築・デザインからクリエイティブディレクションまでを通じて独自の世界観を磨き続ける注目の建築家です。

神谷修平氏


■スイスのデザインから紐解くこれからのデザイン領域と思考に触れる展覧会
「FormSWISS(フォーム・スイス)」

FormSWISS
スイス、イギリスを中心に欧州で長年活動していたデザインディレクター、丸山新が主宰するグローバルデザインプラットフォーム「Form」。そのFormが在日スイス大使館の協力のもと、世界に影響を与えるスイスのビジュアルコミュニケーションとそのデザイン的思考にフォーカスしたデザインイベント「FormSWISS」を開催します。スイスを実際に訪れ行ったクリエイターや教育機関、美術館など約20組への貴重な現地インタビュー映像や、日本初登場となるスイスのデザイナー達の作品展示、共作したオリジナルグッズの販売、トークイベントなどを通じて、デザイン的視点からスイスの多様性のあるデザインや教育、文化、そしてこれからの私たちの豊かな生き方へのヒントとなるような価値観を多角的に紹介していきます。Swiss Typefaces、Gavillet & Cie、Studio Feixen、Kasper-Florio、CCRZ他、スイスの次世代を代表するデザイナーたちが参加予定です。
 

■新たに移転・オープンした注目のギャラリー「ア・ライトハウス・カナタ」

「 ! III 」  協力 : 市原湖畔美術館

今年6月、世界に向けて日本の現代アーティストを中心に紹介し、その素晴らしいキュレーションで多くのアートコレクターを顧客に持つ「酉福ギャラリー」が、27年間の歴史を積み重ねてきた青山から、より広いスペースとなる西麻布へ移転、ア・ライトハウス・カナタへと名称を変えオープンしました。今回はその新居地にて、彫刻家尾崎悟の作品「! III」など注目作品を展示予定です。
 

■若手支援プログラム「UNDER 30」 5組のクリエイターが決定

今年は素材使いやコンセプトに特色のある国内外のクリエイター5組が選ばれました。例えば、素材研究をベースにアートプロダクトを製作し、タイのチェンマイに2年間住み現地のクラフトの取材や開発を行う古川礼規や、香港を拠点にありのままの美しさへの共通の信念に基づいて、ユニークなオブジェクトとインテリアを製作しているBatten & Kamp(バッテン アンド カンプ)などが選出されました。

paper skin by Hiroki Furukawa(ペーパースキン バイ ヒロキフルカワ)古川礼規氏Batten & Kamp(バッテン アンド カンプ)Batten & Kamp(バッテン アンド カンプ)RYOTA AKIYAMA秋山亮太氏豊岡クラフト x フラヴィアン・デルベルグ©Flavien Delbergueフラヴィアン・デルベルグ氏M&TM&T


■出展支援プログラム「OVER 2020」 3組の出展者を選定

今年の新型コロナウィルスにおける世界情勢を受け、新しいチャレンジが感動とビジネスをもたらし好循環を生み出すことを願い、本展ではフェスティバル初となる出展費免除の支援プログラム「OVER 2020」が設けられました。

選出された3組の出展者は、2016年より世界最大規模の家具の見本市、Milano Design Weekへの出展を企画・支援しているプロジェクト「bud brand(バッドブランド)」、建築界で権威あるプリツカー賞を受賞したイタリア人建築家アルド・ロッシ氏が手掛けた洗練された建物「JASMAC AOYAMA(ジャスマック青山)」、ニットブランド Motohiro Tanjiの丹治基浩とフォトグラファーYuji Watanabeによる共同プロジェクト「knit all together(ニット オール トゥギャザー)」となっています。

bud brand(バッドブランド)より〈coca〉bud brand(バッドブランド)より〈White Lotus〉JASMAC AOYAMA(ジャスマック青山)knit all together(ニット オール トゥギャザー)<br>© Yuji Watanabe

多くの人々の価値観やライフスタイルが変貌する昨今、デザインやアートがその答えやインスピレーション、そして本質的な豊かさを見つける新しいきっかけになることを願っています。
 

■DESIGNART TOKYO 2020(デザイナート・トーキョー 2020)
会期:2020年10月23日(金)~11月3日(火・祝)
エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷・恵比寿/代官山・中目黒/六本木/新宿/銀座
オフィシャルWEBサイト:http://designart.jp

このページに関するタグ
関連する記事

あなたのデスクトップにアートのインスピレーションを

ARTS WALLは、常にアートからの知的な刺激を受けたい方や、最新のアートに接したい方に、ARTLOGUEのコラムや、美術館やギャラリーで今まさに開催中の展覧会から厳選したアート作品を毎日、壁紙として届けます。 壁紙は、アプリ経由で自動で更新。