残骸の山から見るアート:アートをおしきせ 20180913

鈴木大輔

鈴木大輔

森村泰昌さんのご自宅へ向かう途中にあったインスタレーションのような看板の残骸。

鶴橋近辺には飛ばされそうなお店の看板なども多そうだし、おそらく、先の台風で破壊されたものでしょう。

この看板の残骸の山を見て「アートっぽい」と思う人は少なからずいると思う。「美しい」ではないけど。

さて、この残骸を見た後、災害に関わる作品を出すことについての岡﨑乾二郎氏のツイートまとめを再読。

岡﨑氏の一連のツイートについての評価はさておき、なぜ、ゴミの山を「アートっぽい」と思うのか、岡﨑氏のツイートにこの様な記載があります。

1996年神戸震災後のヴェネチア建築ビエンナーレ磯崎新氏はベタに震災瓦礫を日本館に持ち込み積み上げを命じ、それを宮本隆司氏の震災現場写真が囲む外には工事中のサイン。で金獅子賞。参加した作家たちは相当複雑な思いだけが残った、と。震災を売り物(批評の道具?)にしただけではないか?と

ということは、1996年以前にはゴミなどの山をインスタレーションやアートとして提示したアーティストはなかったのでしょうか。これは建築だけど。

ありがちとまでは言いませんが、今や何かを積み上げる作品は多々あります。
今年は、クリスチャン・ボルタンスキーも古着を積み上げた《No Man's Land》2012 を大地の芸術祭に出してましたしね。

 

 

アートっぽいとは?

 

こちらのインタビューでチームラボの猪子さん「サイエンスが世界の見え方を広げてきたならば、アートは世界の見え方を変えてきたわけです。」と言っています。

チームラボ 猪子寿之。アートは生存戦略。人間は遺伝子レベルで最も遠い花を愛でたことで滅ばなかった。 | ARTS ECONOMICS 04

まだ、この残骸の写真を「アートっぽい」と思うのはアートラバーに限られるとは思いますが、アートが世界の見え方を変えてきているとすれば、今後、一般の人のこれら残骸の見方も変わって来るのでしょうか。


「アート」化の先に「美しい」があるのかどうかは分かりませんが、最後に、森村泰昌さんの著書を『「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ』を紹介しておきます。

 

 

お後がよろしいようで。

 

 

鈴木大輔

ARTLOGUE(株式会社アートローグ、一般社団法人 WORLD ART DIALOGUE) 代表取締役CEO/編集長。大阪市立大学都市研究プラザのグローバルCOEに於ける研究プロジェクトを経て起業。2014 年グッドデザイン賞受賞、2015 年度 京都大学GTEP プログラム(文科省)ファイナリスト、2016 年ミライノピッチ(ビジネスコンテスト:総務省近畿総合通信局)においてグローバルイノベーションに値するOIH 賞を受賞。(公財)京都高度技術研究所の「京都ビジネスデザインスクール」TA。文化経済学会、デジタルアーカイブ学会所属。アートを利活用し、より良い社会の実現を目指すアートイノベーター。