2020東京オリ・パラに向けての京都宣言発表、全文掲載。「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」

鈴木大輔

鈴木大輔

スポーツ・文化・ワールド・フォーラム

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて文化情報を発信する文部科学省主催の「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」が10月19日に開幕しました。
京都オープニングは、藤原道山氏の尺八と京都市交響楽団メンバーによる弦楽四重奏と京都大学土佐尚子氏の映像作品によるコラボレーションから始まり、その後松野博一文部科学大臣、山田啓二京都府知事、門川大作京都市長、立石義雄京都商工会議所会頭/オムロン株式会社名誉会長が挨拶をしました。

文化会議 全体会では、裏千家十五代 千玄室氏、山中伸弥京都大学iPS 細胞研究所所長などの講演後、宮田亮平文化庁長官から「2020年を見据えた文化による国づくりを目指して」と題した京都宣言を発表されました。

「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」は10月22日まで、京都と東京の約20会場でイベントやシンポジウムが行われます。

スポーツ・文化・ワールド・フォーラム オフィシャルサイト
http://wfsc2016.mext.go.jp/

 

京都宣言 全文


「2020年を見据えた文化による国づくりを目指して」

文化を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは人々の変わらない願いである。また文化は、人々の心のつながりや相互に尊重しあう土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成し、世界の平和にも寄与するものである。折しも我が国は、来る2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、世界の熱い注目が集まる中、国民総参加による夢と希望を分かち合う大会づくり、次世代に誇れるレガシーの創出と世界への発信等に取り組むべき時期にある。
オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもある。実際リオオリンピック・パラリンピック競技大会を振り返ってみても、そのオリンピック閉会式で、我が国が誇るポップカルチャーを活用した斬新で創造的な演出が、世界に感動を与え2020年東京大会に向けた希望をもたらしたことは記憶に新しい。今こそ我が国が強みとするクールジャパンという言葉に代表されるソフトパワーを活かし、2020年東京大会を契機として、多様な文化の振興はもとより、産業振興や海外展開、地方創生等への大いなる可能性を秘めた文化による国づくりをオールジャパンで推進すべきである。
ここに、2020年に向け、また2020年以降の次世代に誇れるレガシーの創出も意識して、文化関係者、関係府省、地方公共団体等が一致団結して文化による国づくりに取り組む決意を、歴史に裏打ちされた伝統文化から現代芸術に至るまで優れた文化資源が豊富に息づく京都の地において、以下の通り表明する。


一 我が国には、伝統的な芸術から現代舞台芸術、最先端技術を用いた各種アート、デザイン、クールジャパンとして世界中が注目するコンテンツ、メディア芸術、ファッション、和食・日本酒その他の食文化、祭り、伝統的工芸品、和装、茶道、華道、さらには、木材・石材・畳等を活用した日本らしい建築など、地域性豊かで多様性に富み、悠久の歴史の中で重層的に蓄積されてきた日本文化がある。
そして、人々の間にあっては日常的に多様な文化活動が盛んに行われ、文化は国民共通のよりどころとして重要な役割を果たしている。
このような我が国の文化が有する特色や役割に照らせば、文化に関わるあらゆる人々が行う多様な文化活動は、人々が文化を鑑賞し、参加し又は創造する上で極めて意義深いものであり、全国各地で様々な優れた文化活動が活発に展開されることを大いに期待する。


ニ オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもある。我が国は、2020年に向け、多様な日本文化の振興を通じて2020年東京大会開催に向けた全国的な機運を醸成するとともに、日本文化を観光資源としての魅力も高めるなどしながら世界に発信し、地方創生、地域活性化、担い手の育成等につなげる。また、共生社会の実現を図る観点も含め障害者の文化芸術活動を推進する。さらに、文化による国際的な対話の重要性を踏まえ、国内外の芸術家を招へいし滞在中の創作活動を支援するアーティスト・イン・レジデンスなど国境を越えた交流・協働を育む取組を推進する。
このようにして我が国の文化の一層の向上を図り、国民総参加で夢と希望を分かち合えるよう、東京2020文化オリンピアードやbeyond2020プログラムの中で、地域性豊かで多様性に富み、次世代に誇れるレガシーの創出に資する取組を、文化プログラムとしてオールジャパンで関係者が一体となって推進する。


三 これからの文化行政については、我が国の文化の一層の向上に向け、文化財の保護・活用や文化活動への支援、人材育成等の充実を図るだけでなく、文化を資源として捉え文化への投資が国際協力、新たな社会への発展、経済成長等にもつながるよう転換させる。
具体的には、グローバル化の中、我が国は世界における多様な文化の発展に貢献するため、クールジャパン戦略等も踏まえながら、「カルチャー・フォー・トゥモロー」として、被災した文化遺産の修復・保護、ASEAN等における著作権制度の整備、伝統文化や漫画、映画等メディア芸術等の海外への展開など、戦略的な国際協力• 国際文化交流を強化する。さらに、官民協働による多様な文化の振興を通じて産業振興や地方創生、社会課題の解決等を目指す文化による国づくりを推進する。このため、必要な機能強化を図るとともに、従来の文化行政の範囲に閉じることなく、外交、観光、産業、まちづくりなど様々な関連分野との連携を強化し総合的に施策を推進する。

 

鈴木大輔

ARTLOGUE(一般社団法人 WORLD ART DIALOGUE)のCEO/編集長。大阪市立大学都市研究プラザのグローバルCOEに於ける研究プロジェクトから起業。2014 年グッドデザイン賞受賞、2015 年度京都大学GTEP プログラム(文科省)ファイナリスト、2016 年ミライノピッチ(ビジネスコンテスト:総務省近畿総合通信局)においてグローバルイノベーションに値するOIH 賞を受賞。 (公財)京都高度技術研究所の「京都ビジネスデザインスクール」TA。文化経済学会所属。アートを利活用し、より良い社会の実現を目指すアートイノベーター。