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永遠に、そしてふたたび ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部    更新日: 2018.02.03

EXHIBITION / 展覧会

駿東郡長泉町

永遠に、そしてふたたび

IZU PHOTO MUSEUM| 2018.1.14(日) 〜 7.6(金)

  • 普通

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概要

横溝静《Forever (and again)》、2003、ヴィデオ・インスタレーション 
© Shizuka Yokomizo © GEIJUTSU SHINCHO photo: Tatsuro Hirose,  Courtesy of Wako Works of Art

 

この度IZU PHOTO MUSEUMでは、当館のコレクション作品を中心とした企画展「永遠に、そしてふたたび」を開催いたします。私たちは日々、多くの人と出会い、ときに死をもって離別します。ひとりの生や死にかかわらず連綿と続く時間の流れに、私たちは抗うことができず無力感を抱くかもしれません。しかし人の心の奥底に深く刻まれた記憶は、ひとつの生命が途絶えても、残された人々に受け継がれ、新たな意味をもたらされながらふたたび生き続けます。流れ続ける時間のある一瞬の出来事をとらえる写真は、過去の集積を写し出し、記憶としての物語を観者にふたたび想起させるものでもあります。横溝静、野口里佳、川内倫子、長島有里枝、テリ・ワイフェンバックの5名の現代作家による作品は、時間と記憶のつながりや永続性について思考する手がかりを私たちに与えてくれることでしょう。

 

< 作品紹介 >

■横溝 静|「時間」の概念を問い直す《Forever (and again)》

 ※ 国内美術館で7年ぶりの展示
イギリスに暮らす4人の老女がショパンのワルツを弾く姿と彼女たちの部屋や庭の風景を並置して投影する横溝の映像作品は、彼女たちの生きてきた時間の蓄積と、主旋律が幾度も消えては再び現れるロンド風の曲のように、終わっては再び新たに始まる時間の永続性を映し出します。ショパンのワルツという、彼女たちの生命よりも長く存在し続ける楽曲を通して、刹那的でありながら永続的な「時間」のあり方について観者に問いかけます。

■野口 里佳|ベルリンの街であふれる光を受けとめた〈夜の星へ〉

 ※国内美術館で初展示
これまで「光」をテーマとした作品を制作してきた野口は、自身が暮らしていたベルリンの街で、いつも乗るバスの窓からの風景を一本のフィルムで撮影しました。星の光は、はるか彼方にある星の過去から地球未来へと届けられます。さまざまな光で溢れた夜のベルリンの街は、野口にとって身近でありながら、まだ訪れていない未来に向かう星の光のようでした。ファインダーを通して次々と飛び込んできた光を受けとめたとき、その光は過去と未来とを内包した異世界へと私たちを誘います。

■川内 倫子|13年間自身の家族を撮り続けた〈Cui Cui〉

「Cui Cui」は、川内が13年間自身の家族を撮影し続けた作品です。「Cui Cui」というタイトルはフランス語で小鳥のさえずりを表し、また写真を撮る際の合図としても使われる言葉です。庭の畑から採った野菜、穏やかな陽射しが入り込む部屋など、小鳥の鳴き声のようにさりげない家族の日常と、「Cui Cui」という合図で撮影された記念写真に象徴される、兄の結婚式、祖父の死、新しい生命の誕生といった大きな出来事が交差し、家族の記憶が積み重ねられていきます。

■長島 有里枝|亡き祖母の写真から着想を得た〈SWISS〉

2007年、長島がスイスのアーティスト・イン・レジデンスで息子と過ごした日々を撮影した作品。庭づくりに熱心であった祖母の死から約20年後、長島は祖母が撮影した色とりどりの花の写真の束が入っている小さな箱を見つけました。ありふれたように見える祖母の花の写真には、丁寧に花を見つめ慈しむ祖母の視点が残されており、それらの写真は死後20年経ちようやく、過去の祖母の物語を長島に語り始めました。亡き祖母を想いながら、花を通して人と向き合い、遠い人に思いを馳せ、ひとりの母親として、女性として、大切な人に繊細に向き合うことを、スイスのレジデンスの庭や近くに咲く花々を通して伝えます。

■テリ・ワイフェンバック|湧き出る水から生命の循環をみつめる《柿田川湧水》

これまで身近な自然風景をとらえてきたワイフェンバックが、2015年に静岡に滞在し制作した写真と映像の組み合わせからなる作品。《柿田川湧水》では、静かに流れていく水が、とめどなく流れ続ける時間のように、過去を流すものとして表現されています。絶え間なく流れる水や、その流れによって円を描きながら存在し続ける一枚の小さな葉に、ワイフェンバックは新たに生まれては変化し続ける自然や生命の流転を見出します。また同じ場所で撮影された連続写真は、常に変化する自然の一瞬を切り取り、糸が紡がれるかのような水流の道筋や、光と影による自然の表情の豊かさをも写し出しています。

 

< 概   要 >

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会 期:2018年1月14日(日)-7月6日(金)
会 場:IZU PHOTO MUSEUM
H  P:http://www.izuphoto-museum.jp/
時 間:[2、3月]10:00-17:00[4〜7月]10:00-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:水(祝日の場合は翌日休、5/2は開館)
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永遠に、そしてふたたび  フォトギャラリー

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