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平野薫ー記憶と歴史 ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部    更新日: 2018.06.11

EXHIBITION / 展覧会

足柄下郡箱根町

平野薫ー記憶と歴史

ポーラ美術館| 2018.7.22(日) 〜 9.24(月)

  • 普通

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概要

《untitled –rain DDR–》(部分)2014年 素材:傘  Installation view : Arts Maebashi, Gunma Photo by Shinya KIGURE

 

ポーラ美術館では2017年の開館15周年を記念して、同年10月に公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けた現代美術作家の活動を紹介する「アトリウム ギャラリー」を新設し、芸術表現と美術館の可能性を「ひらく」という趣旨の「HIRAKU PROJECT」を開始しました。
第5回目の展示として、平野薫の個展「記憶と歴史」を開催いたします。

平野薫は、古着や布製の小物などを糸の一本一本にまで分解し、それらを展示空間の中に再構成する繊細なインスタレーションを手がけてきました。ドレスや下着、靴、傘といった身の回りのモティーフは、元々の素材である糸の状態に戻されることで、撚れ(よれ)や色褪せを一層顕在化させ、それを身に付けていた人の「気配」や「身体性」、そして個人の「記憶」を強く感じさせます。

本展覧会では、身近なモティーフから漂う個人の記憶や経験を扱いながらも、それを歴史という大きな流れの中に還元していくことをテーマとしています。3点の傘(旧作1点、新作2点)を組み合わせたインスタレーションでは、作家が留学したドイツの傘(旧東ベルリン製)と、故郷・長崎、そして現住地・広島で入手した傘を使用しています。3つの都市で出会ったモティーフのインスタレーションが重なることで、これらが歴史的に強い意味を持つ場所であることを想起させます。

また、工業用のミシンや糸を使った新作インスタレーションは、これまでの平野の作風とは大きく異なる、新たな展開を予見させる作品です。戦時中の銃器製造にルーツをもつメーカーのミシンを用い、戦後日本の高度経済成長を支えた工業機器と、私たちが日々消費する衣服や繊維との関係性、そして近代日本の歴史を暗示するかのような作品を試みます。個人の記憶を歴史の中に還元すると同時に、歴史という漠然とした概念が「誰かの記憶や経験の集積」であることを、観る者に強く訴えかけることでしょう。

 

平野薫

1975年長崎県生まれ。広島市立大学院修了(2003年)。古着などを糸の一本にまで解き、再構成する繊細インスタレーションを手がける。第1回 shiseido art egg賞受賞(2007年)。ACC日米芸術交流プログラムによりニューヨークにて研修(2008年)、文化庁新進芸術家海外研修制度によりベルリンにて研修(2009年)、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンにて研修(2010年)。主な展覧会に、「Re-Dress」SCAI THE BATHHOUSE(東京、2012年)、「服の記憶」アーツ前橋(2014年)、「Remembering Textiles」LWL-Industriemuseum TextilWerk Bocholt(ボホルト(ドイツ)、2016年)、「交わるいと」広島市現代美術館(2017年)など。

 

 

開催概要

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会 期:2018年7月22日(日)~9月24日(月・祝)
会 場:ポーラ美術館
時 間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館:無休(展示替えのための臨時休館あり)



平野薫ー記憶と歴史 フォトギャラリー

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