「篠山紀信展 写真力」 CURATORS TV

ARTLOGUE 編集部

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「篠山紀信展 写真力」のギャラリートーク

スピーカー

芦田彩葵

会場

熊本市現代美術館

会期

2012年6月30日~9月17日

展示について

写真家・篠山紀信の国内公立美術館初となる大回顧展。1950年代後半より写真家活動をスタートさせた篠山は、写真が常に時代の先端を切り取り、時代に挑戦する生の表現であるとの信念から、これまで自身の写真を振り返ることをためらってきた。しかし本展では、ポートレートという一見シンプルな切り口によって、美術館というスペクタクルな空間を大胆に使い、時空と虚構をも超える写真がもつ力を、迫力あふれるスケールで新たなイメージとして蘇らせることを試みた。出品作品として、三島由紀夫から、ジョン・レノン、AKB48、2011年3月11日に起こった東日本大震災で被災された方々まで、「時代の映し鏡」である篠山が半世紀以上にわたり撮り続けてきた人々のポートレート133展を展示。時代を象徴する人々のイメージを通して、日本が歩んできた時代を、そして己を思い起こさせる「写真の力」を改めて問う展覧会となった。 本展は、読売新聞社、美術館連絡協議会との共催で、当館を皮切りに、東京オペラシティアートギャラリーをはじめ、全国の美術館に巡回。当館限定として、ギャラリーⅢにて東日本大震災の無人の風景写真「ATOKATA」を特別展示した。

アーティストについて

篠山紀信(しのやま・きしん) 1940年、東京都生まれ。日本大学藝術学部写真学科に入学、並行して東京綜合写真専門学校に通う。在学中の61年に広告制作会社ライトパブリシティ写真部に入社。大学卒業後に、『カメラ毎日』『アサヒカメラ』などの雑誌に作品を発表。66年東京国立近代美術館「現代写真の10人」展に選出され、76年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館に『家』を出品。雑誌『GORO』で女性グラビア写真を撮影した「激写」シリーズが社会現象となる。80年代に入ると磯崎新との『建築行脚』シリーズ、「シノラマ」で都市の様相をとらえるなど多様なジャンルを展開する。91年には、樋口可南子の写真集『Water Fruit』と宮沢りえの写真集『Santa Fe』がセンセーションを巻き起こす。一方で、6代目三遊亭圓生、5代目坂東玉三郎を長年撮り続け、歌舞伎座のフィナーレを撮影した『THE LAST SHOW』を出版するなど、日本の伝統芸能に関する貴重な写真も数多く残している。

スピーカーについて

芦田彩葵(あしだ・あき) 熊本市現代美術館学芸員。1979年兵庫県生まれ。神戸大学文学部卒業、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジにてディプロマ取得。神戸大学大学院修士課程修了。専門はアメリカを中心とする近現代美術史。 主な展覧会に、『荒木経惟 熊本ララバイ』(2008年)、『花・風景-モネと現代日本のアーティストたち 大巻伸嗣、蜷川実花、名知聡子-』(2009年)、『小谷元彦 幽体の知覚』(2011年)、『篠山紀信展 写真力』(2012年)など。主な論文に、「マーク・ロスコのダークペインティング」(『美術史』第167冊、2009年)、「マーク・ロスコ晩年の作品における様式の意味-1950-60年代のアメリカ美術との関係性をめぐって」(『鹿島美術研究』第26冊、2009年)など。共著に『不朽の名画を読み解く』(ナツメ社、2010年)、『小谷元彦 幽体の知覚』(美術出版社、2011年)などがある。