いつもそばにいてくれるわたしのねこ、アートになる

アカギマキコ

アカギマキコ

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10数年前に比べると、猫好きを公言する人がとても増えたような気がします。
猫の動画や写真に人気が集まったり、街のいたるところに猫と触れ合えるカフェが見られるようになったり、猫グッズに至っては犬グッズを席巻する勢いです。
TVCMでも猫がキャラクターとして目立つものが明らかに増えています。

ネズミ捕りの能力を買われて人間と共存するようになった猫ですが、今や近すぎず遠すぎず、いてほしいときに側にいてくれる癒しの存在としての価値を感じる人が多くなっているようです。猫好きが増えたというよりも、猫が好きであることを堂々と言えるようになった、ということなのかもしれませんね。

今回は猫好きにおすすめの展覧会とともに、日常の中の猫を表現した熊谷守一(くまがいもりかず)(1880~1977)の絵をご紹介したいと思います。 


猫の国の猫アートで猫にまみれる至福のひとときを

3月29日(木)から、ホテル雅叙園東京では猫好き必見の「猫都(ニャンと)の国宝展at百段階段~猫の都の国宝アート~」が開催されます。

猫の都「猫都(ニャンと)」で、猫の国の国宝級の展覧会が開かれたら、というテーマで猫を表現した40名の作家の作品を、東京都指定有形文化財である「百段階段」にて鑑賞することができます。

部屋ごとにテーマがあり、例えば「十畝(じっぽ)の間」では猫の神様たちの美しく荘厳なたたずまいを、「静水(せいすい)の間」では招き猫をテーマに「招き猫ミュージアム」のコレクションをはじめ、現代アーティストが描く猫たちを、「清方(きよかた)の間」では陶芸、立体造形、墨絵、木工などありとあらゆる素材から生み出された猫たちのアート作品等々、リレー展示も含め800点以上の作品を一堂に展示しています。

各作家が猫の何に魅力を感じ、どう捉えているかを生で感じることができるまたとないチャンスです。共感しながらぜひお気に入りの猫を見つけてください。

「七小町 雨こい小町」歌川国芳 作
「七小町 雨こい小町」歌川国芳 作

 

「魔除猫」横尾忠則 作
「魔除猫」横尾忠則 作

 

「鯛車」松本浩子 作
「鯛車」松本浩子 作
「文庫張子夏目漱石」古本選堂 文豪夏目漱石も猫を愛した一人。 廃棄される文庫本からその著者のオブジェを制作する古本選堂の「文豪と猫」張り子シリーズの作品です。
「文庫張子夏目漱石」古本選堂
文豪夏目漱石も猫を愛した一人。 廃棄される文庫本からその著者のオブジェを制作する古本選堂の「文豪と猫」張り子シリーズの作品です。



もっとも猫らしい姿をながめて至福のひとときを

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つかず離れず側にいてくれる猫の行動もさることながら、もう一つの魅力は猫の体つきにあるのではないでしょうか。

猫は骨と筋肉をしなやかに動かし、音を立てずにしゃなりしゃなりと歩きます。座っているときも寝ているときも、犬は姿勢を崩して可愛らしく座っていてもなぜか背筋が伸びていますが、猫は流線形のような独特の輪郭を作り出します。猫の体は曲線でできている、と言ってもよいぐらいです。

曲線を生かした猫のアートというと、真っ先に思い浮かぶのが熊谷守一です。赤みのある茶色の輪郭と明るい色彩で身の回りにある猫や鳥、花、虫などを描いた作品は、今でも多くの人に愛されています。

70歳を過ぎてから体を壊し写生に出かけられなくなった熊谷は、家に居ながら描ける猫などの作品を多く生み出しました。一見デフォルメされて描かれているようにも見える輪郭はやさしく猫の体を縁取り、見る人の心を和ませてくれます。

豊島区立熊谷守一美術館では熊谷の描く《白猫》に会うことができます。4号サイズの小さめの油彩ですが、その前に立ってずっと何時間でも見ていたい気持ちにさせられる、温かい気持ちになれる1枚です。

犬と人間との共生の歴史は2万年以上前からと言われています。猫と人間の共生はその半分以下の時間であり、付き合い初めの恋人のような関係なのかもしれません。アートを通して猫に触れ合うことで新たな魅力を発見する機会にしていただけたらと思います。

猫都(ニャンと)の国宝展 at 百段階段 ~猫の都の国宝アート~

会 期:2018年3月29日(木)~5月13日(日)
開催時間:10:00~18:00(最終入館 17:30)
会 場:
ホテル雅叙園東京
東京都指定有形文化財 「百段階段」
主 催:ホテル雅叙園東京
URL:http://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/nyanto


豊島区立 熊谷守一美術館

住 所: 東京都豊島区千早2丁目27−6
URL :http://kumagai-morikazu.jp/