自分の「BORDER=境界線」は守るべきか、超えるべきか。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」にその答えを探しに行こう。

セザール・デズフリ Passengers 越境者

世界屈指の文化芸術都市である京都を舞台に展開される、日本では数少ない国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」。京都市内にある歴史的建造物や近現代建築を会場として、地域社会と連携しながら、国内外の気鋭の写真家による展覧会を中心に、京都の豊かな歴史や精神性を世界に発信しておりファンの多い写真祭です。会期は2023年5月14日(日)まで。

今回のテーマは「BORDER」。KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭の共同創設者・共同ディレクターであるルシール・レイボーズと仲西祐介は、本テーマに関して、以下のように述べています。

「あらゆる生命体はさまざまな《BORDER=境界線》を持ちながら生きている。その境界線が個々の存在を形成しているともいえる。そしてそのほとんどは不可視なBORDERであり、それぞれが日々その境界線を守り・壊し・狭め・広げながら無常に生きている。あなたには自分のBORDERが見えているだろうか。KYOTOGRAPHIE 2023では、そのBORDERを少しだけ可視化してみたい。その境界線は、自分で作ったものなのか、他者によって作られたものなのか。それは守られるべきものなのか、超えるべきものなのか。もしかしたら、自分の「思い」によって変えられるものなのかもしれない。2023年、KYOTOGRAPHIEでこの《BORDER=境界線》を巡る旅に出よう。」

今回は、本写真展の中でも特に見逃せない6作品をピックアップ! 早速、みていきましょう。

 

1.World Press Photo 世界報道写真展 レジリエンス―変化を呼び覚ます女性たちの物語/京都芸術センター

World Press Photo 世界報道写真展

内閣府男女共同参画局のホームページによると、2022年の日本のジェンダー・ギャップ指数の総合順位は、世界経済フォーラムの発表では146カ国中116位であり、また日本の男女間賃金格差は長期的に見ると縮小傾向にあるものの、2021年の男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準は75.2と、未だ低水準にあります。

World Press Photo 世界報道写真展

京都市における芸術の総合的な復興を目指して開設された「京都芸術センター」を舞台に開催されているのが、世界報道写真財団とオランダ王国による〈World Press Photo 世界報道写真展 レジリエンス―変化を呼び覚ます女性たちの物語〉。世界各地の女性や少女、そのコミュニティのレジリエンス(回復力)と、彼女たちの再起への挑戦を写した13カ国17人の写真家による作品を展示しています。この展示を見ると、性差別やジェンダーに基づく暴力、性と生殖に関する権利、均等な機会の確保などの課題があることが理解できます。

World Press Photo 世界報道写真展World Press Photo 世界報道写真展

例えば、ジェンダーを巡る平等性及び公平性は、社会のつながりを維持するために不可欠な基本的権利です。それにも関わらず、世界中の女性が根深い不平等にさらされ、今もなお政治や経済における女性の立場は過小評価されています。2021年には、世界中の約35,500議席のうち、女性議員が占める割合はたったの26.1%でした。また3,400の官僚ポストのうち22.6%、すべての管理職ポストのうち27%のみを女性が占めるという結果に。さらに女性に対する暴力は、健康・治安面において、引き続き世界中で深刻な課題となっています。人生において一度は身体的暴力や性的虐待を受ける女性の割合は、3人に1人と推測されています。

World Press Photo 世界報道写真展

歴史上、人々や場所は度々ステレオタイプな視覚的表現によって描写されてきました。その結果、階級、年齢、国籍、人種、民族、カースト、性的指向、ジェンダー、言語によって区分けされたコミュニティに対する偏った価値観が生まれています。私達一人ひとりがこれら問題に真剣に向き合って、世界をより良い方向へ導く努力をしなければなりません。

 

2.セザール・デズフリ Passengers 越境者/Sfera

セザール・デズフリ

京都有数の骨董街である新門前と花街祇園のいずれからも近く、華やぎと奥ゆかしさの入り交じるエリアにおいて、一際異彩を放つ「Sfera Building(スフェラ・ビル)」。前面にパンチングメタルが施され、光の具合で木の葉模様が浮かび上がり、金属でありながら柔らかさを感じさせます。設計とデザインは、スウェーデンの気鋭3人組建築家クラーソン・コイヴィスト・ルーネ。このスフェラ・ビルを会場としているのが、ジャーナリスト、ドキュメンタリー・フォトグラファーとして、移民やアイデンティティ、人権をテーマとした作品を数多く発表しているセザール・デズフリによる展示〈Passengers 越境者〉です。

セザール・デズフリ

本展示は、デズフリが7年前から取り組んでいる現在進行形のプロジェクト。キュレーターのアルムデナ・ハヴァレスによると、毎年、何千人もの人々が、アフリカ沿岸からヨーロッパを目指して地中海を渡っているといいます。デズフリは、2016年の夏、ドイツのNGO団体「ユーゲント・レッテト」が所有する元漁船の難民救助船イウヴェンタ号に3週間にわたって乗船し、北アフリカからイタリアへ航海する地中海中央部のルートで、命懸けで難民や難民たちを助け出す救助船の様子を記録。

セザール・デズフリセザール・デズフリ

8月1日、リビア沖20海里を漂流するゴムボートから118名の難民が救出されました。デズフリは、この救助劇に名前と顔をつけて人格を与えるため、救助されたばかりの乗員全員のポートレートを撮影。彼らの顔、表情、衣服(着るもののない者もいた)の写真には、人生を大きく変える瞬間の精神状態が写し出されています。

セザール・デズフリ

例えば、難民の一人アルファは、プル族のとても貧しい大家族のもとに生まれました。プル族はギニアで差別を受けているマイノリティで、この境遇が彼に故郷を去り、越境の旅に出る決意を抱かせました。ヨーロッパ到着後、彼はシチリアに生活の拠点を構え、ソフィアに出会い、恋に落ちました。18歳のときに難民センターを去り、より良い機会を求めてドイツに移住。ソフィアが彼を探し出し、再会後二人はシチリア島に戻る決断をしました。2018年に二人は結婚し、現在は二児の親となっているといいます。

セザール・デズフリ

政治的な理由や経済的な理由、感情的な理由、伝染病、家族の問題、移民の群れに紛れ込んでの逃避行、あるいは旅をして新たな経験をしたいというシンプルで人間的な願望など、難民たちの動機は実に様々だといいます。本作品は、難民たちの物語の記録であり、難民への理解を深め、その苦境が忘れられることのないよう事実を後世に伝える一大ドキュメンタリーだと、キュレーターのハヴァレスは語っています。

 

3.松村和彦 心の糸/八竹庵(旧川崎家住宅)

松村和彦

京都市指定有形文化財に登録されている、和洋折衷町家建築である「八竹庵(旧川崎家住宅)」。2階建ての主屋や2棟の蔵、サロンや大正当時の流行である「フランクロイドライト様式」を取り入れた洋館などがあり、洋館部分を関西近代建築の父である武田吾一が、茶室や和室部分を数寄屋建築の名工である上坂浅次郎が設計しました。ここは、インフォメーション町家として、KYOTOGRAPHIEのチケット、グッズ、書籍などの販売をはじめ、展覧会、周辺観光の紹介まで幅広く案内しています。本会場では、KG+Select 2022 グランプリの松村和彦による〈心の糸〉の展示が行われています。

松村和彦松村和彦

 

松村和彦は、1980年生まれで、2003年に記者として京都新聞社に入社。2005年に写真記者となりました。彼は、「人生」「社会保障」「ケア」をテーマに作品制作に取り組んでいます。本作品は、「認知症」をテーマとしたもので、認知症の本人、家族、周囲の人々を長期にわたり取材。最初に取材したのが、夫が行方不明になった一人の女性だったそう。認知症の方が行方不明になるのは社会的な問題となっており、実際にこの女性も夫が行方不明になってから数か月後に亡くなっていたという事実を知ったといいます。松村は、この女性に夫がよく訪れた場所を教えてもらい、人が誰もいない風景を撮影し、そのことによって夫の不在を表現しようと試みたそう。女性が夫を探して辿ったという道も撮影。そこで松村が感じたのは、辛さや悲しさだけが表現され、人々が「徘徊」と呼ぶ無機質な、悪い印象を抱くものをただ撮っているだけではないか、伝えたいと思う実際の認知症の姿とかけ離れたものになっているのではないかということだったと、キュレーターの後藤由美は述べています。

 

認知症の症状は、一般的に正しく理解されておらず、忘れてしまうということは知られていますが、その他にも、時間や場所の感覚がなくなるとか、考えがまとめられないとか、様々な障害があることを理解すべきとも後藤は語ります。松村和彦松村和彦

ある日の朝に起きると、夫である自分を見る妻の様子が違っていたというご夫婦の関係性を表した展示空間があります。自分のことを「お父さん」と呼ぶ妻がおり、配偶者だと認識できなくなった妻との「心の糸」が切れた瞬間だったと夫は語りました。それは非常にショッキングな出来事でしたが、夫は妻の「父」を演じることで、心の糸を繋ぎ直したそう。

 

認知症には実に多くの障害があり、その障害によって人と人を繋ぐ心の糸が切れてしまう―。一方で、人はその切れた糸を繋ぎ直すことができる、または繋ぎ直そうとする生き物であることも、この取材経験から松村は教えられることになったといいます。

4.石内都・頭山ゆう紀 「透視する窓辺」/誉田屋源兵衛 竹院の間石内都・頭山ゆう紀

江戸時代から続く帯匠の「誉田屋源兵衛」。その「竹院の間」は、木のぬくもりが優しい、穏やかな風情の空間です。そこで展示されているのが、女性写真家である石内都と頭山ゆう紀の2人展〈透視する窓辺〉です。

石内都・頭山ゆう紀

石内は1979年に〈Apartment〉で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した〈Mother‘s〉で、第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出された実力派です。2013年には紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞しています。

頭山は、1983年に千葉県にて生まれ、その後東京ビジュアルアーツ写真学科を卒業。生と死、時間や気配など目に見えないものを写真に捉えています。自室の暗室でプリント作業をし、時間をかけて写真と向き合うことで、時間の束や空気の粒子を立体的に表現しています。

石内都・頭山ゆう紀石内都・頭山ゆう紀

そんな二人による展示において、石内は母を一人の女性として捉え、母の遺品を撮影した〈Mother‘s〉シリーズの作品を、頭山は友人の死をきっかけに撮影し始めたシリーズ〈境界線13〉と、祖母を介護し看取るまでの日々を写した最新作を発表。世代を超えた2人の写真家のまなざしの交差を感じ取ることができます。

石内都・頭山ゆう紀石内都・頭山ゆう紀

石内は、本展に関して以下のようにコメントを寄せています。

「KYOTOGRAPHIEから、次世代の女性写真家を指名して2人展を企画してほしいと依頼があった。迷わず頭山ゆう紀を選ぶ。彼女とのはじめての出会いは、沖縄でのワークショップに写真学校の学生だった彼女が参加した時らしいが、私はまったく覚えていない。彼女の写真を意識したのは、数年後の「ひとつぼ展」である。最終選考に残った10人の中に頭山ゆう紀がいたのだった。その時見た写真は、何気ない風景だったり、日常生活の断片だったり、目新しいものが写っていたわけではなく、モノクロームの画像の中にどことなく寂しく、あやしい影のような、匂いのような、それでいて強いイメージがあり、気になる作品だった。残念ながらグランプリは取れなかったが付き合いがはじまる。

その後、写真集を2冊出版し小冊子を作りながら、地味な場所で息をひそめるようにして、写真を発表していた。そして去年(彼女の)祖母が亡くなり、続けて母が急死する。

頭山ゆう紀は祖母が亡くなるまでの介護をしていた部屋から見える庭を、毎日撮っていたという。ガラス越しに見える風景はどんなようなものだったのか。その写真を見て、母が遺した品物たちを撮影した時のことを思い出す。〈Mother‘s〉の半数近くは庭に面したガラス窓が背景で、外側にトレーシングペーパーを貼っての撮影だった。

彼女の新作を見て〈Mother‘s〉と通底する喪失感と悲しみからの視線は、お互いの距離の違いから決して同じではないが、まなざしのその先にあるイメージはどこか共有できる思いがある。

(中略)

そしてこの2人展には消失した3人の女が写真の向こう側に居て、いずれ私も頭山ゆう紀もその中の1人になることを確実に感じる」。

5.高木由利子 PARALLEL WORLD/二条城 二の丸御殿 台所・御清所高木由利子

1603年(慶長8年)、江戸幕府を開闢(かいびゃく)した徳川家康が、天皇の住む京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として築城した二条城。1867年(慶応3年)には15大将軍慶喜が二の丸御殿の大広間で「大政奉還」の意思を表明したことでも知られています。そんな二条城 二の丸御殿 台所・御清所にて展示されているのが、写真家・高木由利子による〈PARALLEL WORLD〉です。

高木由利子高木由利子

グラフィックデザインとファッションデザインを学び、ヨーロッパでファッションデザイナーとして活動していた高木は、何度か訪れたモロッコで写真に開眼します。

高木由利子

本展のタイトル〈PARALLEL WORLD〉とは、共時的に存在する二つの世界のことを指し、高木は本会場にて二つのシリーズをパラレルに展示。一つは、日常的に民族衣装を着ている人達を12カ国で撮影したプロジェクト〈Threads of Beauty〉。もう一つはDIORのために撮り下ろした新作や、ポール・スミス、イッセイ・ミヤケ、ヨウジヤマモト、ジョン・ガリアーノなど80年代から現代までのファッションを撮影したシリーズです。

例えば「今回展示されているDIORの作品の服はすべてオートクチュールであり、オーダーするクライアントの情熱と作り手側の真剣なクラフトマンシップが織りなす服の美しさは格別だった」と髙木は述べています。

高木由利子高木由利子高木由利子高木由利子

髙木は展示にあたって、次のようにコメントを寄せています。

「私たち人類は一糸纏わぬ裸の姿でこの地球上に生み落とされた。あまりの無防備な姿に、神は哀れんで、体を包む布を生み出す技を備えてくださった。この40年に渡って、民族衣装を日常的に着て生活している人々を記録するプロジェクトと、ファッションデザイナーやクリエーターたちが創り出す新しい価値観の服たちを撮影してきた。

(中略)

衣服は人間が厳しい自然の中で存続するために生み出され、民族、性別のアイデンティティ、社会地位を象徴する存在にもなってきた。そして、ファッションという言葉は流行と翻訳されるように目まぐるしく変化し続ける。民族衣装は民族の象徴でありアイデンティティであり、先祖代々伝わってきた生活様式や技法の宝庫でもある。さらに、民族衣装は私たちの衣服の原点であり、インスピレーションの源である。

(中略)

ある時期は、民族衣装の急激な喪失に深い悲しみを覚え、現代のファッションのあり方に疑問を持ったりしたが、今ここに至り、この二つの世界を長い間行き来しているうちに、全てには必然性があり、どちらの世界にも愛を感じるようになった。

どの時代にも人々は美しく着飾りたいという願望がある。神事のために着飾ることに始まり、それは自分へのご褒美でもあり、他者に対してのリスペクトの表明にもなる。その形が時代と共に多様性を増し今に至るが、このPARALLEL WORLDに入ったり出たりすることで、人と服の関係を通して、衣服を纏う人間という存在、人間にとっての幸福感について改めて気付くことがあるのではないかと思う」。

6.ココ・カピタン Ookini/ASPHODEL・大西清右衞門美術館・東福寺塔頭 光明院

ココ・カピタン

1992年、スペイン・セビリアで生まれたココ・カピタン。彼は、ロンドンとマヨルカ島を行き来しながら、写真、絵画、インスタレーション、散文など、多岐に渡る制作活動を行っています。彼による展示〈Ookini〉は、ASPHODEL・大西清右衞門美術館・東福寺塔頭 光明院といった3会場で行われ、例えば1998年に設立された大西清右衞門美術館は、大西家に伝わる釡と茶道具が展観されています。「ものを保存するだけでは文化は死ぬ。釡も茶道具も、今に生きるものとして血を通わせながら次の世に送りたい」と、館長で16代当主の大西清右衞門は語っています。

ココ・カピタン

カピタンは、KYOTOGRAPHIEのレジデンスプログラムで、昨年10月から12月まで京都に滞在し、本作〈Ookini〉の制作に取り掛かりました。京都滞在中にフィルムカメラを携えて撮影したのが、ティーンエイジャー=10代の若者たち。未来の釡師、狂言師の息子、人形師の娘、禅僧を目指す学生、舞妓など日常生活に伝統文化が深く根付いている人々から、大学生や高校生、偶然出会った若者まで、多岐に渡ります。今回、撮影に協力いただいた若者にはいつも「おおきに!」と感謝の気持ちを伝えていたそう。

ココ・カピタンココ・カピタン

彼は京都に滞在してみて、「とても楽しかったです。休暇で何回か京都に来たことはありましたが、実際に長期的に滞在してみるのは全然違いました。京都に滞在中、伝統や社会的なルールがいかに重視されているかということがわかりましたし、それは短期滞在では気付かなかったことだと思います。日本の文化は私が育ってきた文化とは大きく異なります。私は南スペインの出身で、母国の文化はとても情熱的で、私たちはたとえ嫌なことがあっても自分たちの感情を共有します。でも京都では、みなさん非常に礼儀正しく、感情を表に出さないですよね」と語っています。

ココ・カピタンココ・カピタン

また、現地の若者たちとの交流を通して「日本について少しずつ理解を深めていくうちに、全てが理想的であるとは限らないということを実感しました。日本で2カ月過ごしてみて、「ああ、これは礼儀正しさではなく、感情を表に出さなかったり、特定のテーマについては議論をしないだけなんだ」ということにも気付きました。私は日本の人々が実際には何を思っているのかわかりませんでしたし、彼らは思っていたほどオープンではありませんでした。ですが、KYOTOGRAPHIEのチームのおかげでいろいろな方々に出会えたことは本当にラッキーでした。その一方で、私は京都の様々な側面にも感動しました。花園禅塾の学生の方々とコラボレーションした際には、日本人の立ち居振る舞いや考え方、文化のルーツがどこにあるのか、生きる上で最も重要なものは何なのかなど、本当にいろいろなことが理解でき、とても嬉しかったです。今回はリアルな京都を知ることができた気がします」と述べました。

また、世界中で未だに争いや戦争が絶えないことについては「社会全体のことを考えると残念な気持ちになります。母国であるスペインや今いるイギリスでも、政府のことはそれほど信用していません。現時点ではどの国の政府も良いとは思えません。しかし、コミュニティや個人レベルでは、現代社会について楽観的に捉えています。たとえゆっくりでも、私たちは良い方へと向かっているのではないでしょうか」としています。

世界中で起こっている様々な問題は、決して他人事ではありません。自分の「BORDER=境界線」を守りつつ、超える覚悟を持って、目を逸らしてはならない諸問題に対峙すべきであると、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」は提示してくれています。

■KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023

会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
会場:八竹庵(旧川崎家住宅)、京都文化博物館 別館、嶋䑓ギャラリー、HOSOO GALLERY、誉田屋源兵衛 竹院の間、誉田屋源兵衛 黒蔵、京都芸術センター、くろちく万蔵ビル2F、二条城 二の丸御殿 台所・御清所、ASPHODEL、大西清右衞門美術館、東福寺塔頭 光明院、Sfera、藤井大丸ブラックストレージ、世界倉庫、両足院、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space、伊藤佑 町家跡地

チケット:

単館チケット 一般800円~1,200円 学生600円~1,000円
パスポートチケット 一般6,000円 学生3,000円
プレミアムパスポート/エクスプレスパスポート 15,000円

プレミアムパスポート/京都市民割パスポート 一般5,500円
プレミアムパスポート/平日限定パスポート 一般4,500円

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭

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