ARTLOGUE 編集部 ARTLOGUE 編集部 更新日: 2019.02.15
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概要
世界中に四季のある国は数多く存在しますが、中でも四季の変化が明確な日本では、季節の移ろいを敏感に感じ、描かれた花や景色から季節を読み取り、その情趣を楽しんできました。四季のうちの-つ、春は、冬の寒さが和らいで、日差しが段々とあたたかくなる季節です。花のつぼみは膨らんで色とりどりに咲き誇り、眠っていた生きものたちの活動も活発になって生命の芽吹きも感じられます。そして、降りそそぐ太陽の光を受け、植物は緑濃く生い茂げり、夏へと移ろいます。身にこたえる暑さをしのごうと、鳥や魚の息づく水辺や清涼な空気に満ちた山あいなどへ涼を求めます。本展では武蔵野市の所蔵作品から、展覧会の会期に合わせ、春から夏へと移りゆく季節の情緒あふれる作品約30点を展示いたします。萩原英雄の晩年の代表作でもある連作版画「三十六富士」の春。美しい色感で身近な花鳥を描いた小畠鼎子。野田九浦が描いた涼しげな水辺の風景。みずみずしい植物を描いた永田春水など、描かれた時代も制作方法も異なる作家たちが見つめたさまざまな季節の情景。草木が芽吹き花咲く春の販わいや夏の爽やかな風情など、作品を通して表現される季節の新鮮な魅力を感じとり、現代の生活では失われがちな季節感や、自然美に対する感性を豊かに磨き上げられる機会となれば幸いです。
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